リンゴも配信されていました!

 数日前にポール・マッカートニーのライヴ音源をiTunes Storeで発見したことを書きましたが、今日はリンゴ・スターの作品が配信されていることに気づきました。アクセスしてみると、アップル時代のアルバムが揃っていて、かつて(といってもほんの1年ほど前です)の「アップル対アップル」の対立を知る者としてはなかなか感慨深いです。時期でいうとビートルズ解散直後の1970年代のものがメインですが、このころのリンゴは実に充実した音楽活動をしていた時期でもあります。音楽だけ聴くとしっとりしたものが多いですが、このころのリンゴは実に精悍な顔立ちで、今観ても「カッコイイ」と思うような表情をしています。以前も書きましたが、僕は中学生時代にフィルムコンサート(若い人は知らないでしょ?そういうイベントがあったんですよ昔。あのころは、そういうところに行かないと「アーチストが動いているところ」は見られなかったんですよ)「バングラディシュのコンサート」を観て、ジョージよりもディランやレオン、クラプトンよりも「リンゴがかっこよかった」と強く思ったこともあったほどでした。
 今回はアップル時代のアルバムがメインの配信ですが、1枚、最新のベストアルバム「Photograph:The Digital Greatest Hits」というものもラインアップされています。これはタイトルどおりベストもののようですね。選曲をみるとほぼ「Ringo」と「Goodnight Vieena」からの曲ですが、バック・オーエンスと共演した「Act Naturally」と「Wrack My Brain」が入っています。「Act Naturally」は80年代後半だったか90年代始めくらいにPVを観た憶えがありますが、いつのものかはっきり思い出せません。PVはウエスタンの主人公に扮したリンゴの味わいがなかなかトボケた感じで楽しいものでした。
 「Wrack My Brain」は1981年の「Stop And Smell The Roses」からのもので、ジョージ・ハリスンの作詞作曲です。iTunes Storeでの同アルバムではこれだけですが、パッケージCDはDVD付きのものなど数種類出るようで、90年代以後の作品も収録されているようです。そうなると可哀想なのが80年代の諸作品。リンゴは80年代の作品の評価が低く、そのためか今も(一度CDになったのに)廃盤のものが多く、聞くところによるとプレミアがついているものもあるとか。そうなるとこういう配信の出番ではないですかね?配信ならコストもそんなにかからないし、「80年代のリンゴも、ちょっと聴いてみようかな」という新しいファンにも気軽に作品に接してもらえるし。なんとかできないかなあ?
 今聴いているのはもちろん「Stop And Smell The Roses」。記憶が正しければ、邦題は「バラの香りを」だったはず。リンゴのアルバムはいつも豪華な「フレンズ」が話題になりますが、ここでもポール、ジョージの他ニルソンやスティーヴン・スティルスロニー・ウッドジョー・サンプル、ジェフ・”スカンク”・バクスター(ボートラですが)、キース・リチャーズ(この人もボートラ)など、すごいものです。内容への評価は決して高いものではなかったですが、気持ちよく聴ける作品だと思います。「Ringo」のような必聴盤ではないですが、リンゴの人柄そのままの、暖かいテイストのアルバムです。配信という形でもいいから、こういう作品が「聴きたいなあ」と思う人のところに届けばいいなあ、と思います。
追記:下にアマゾン「Stop And Smell The Roses」紹介ページへのリンクを入れましたが、そこを見てみたら、なんとものすごいプレミアがついていました!これはいくらなんでも行き過ぎじゃあないかな?やっぱり、配信でもいいので手軽に入手できるようにしてほしいです。

Stop & Smell the Roses

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