ギターならなんでもいい

 今週はなぜかいろいろと気疲れすることが多い週でした。仕事としては、これから始まることの調整や打ち合わせが主だったんですが、それに手間取ったり、よくわかっていない人に説明したり(これが立場的には自分より上だったりするんですよ良くある話)、下の者の愚痴を聞いたり、、、ふう。それでも自分の担当は進捗しているんだからまだいいほう。まあ、どこにでもある話ですね。自分にできることを少しずつやることで打開していこう、焦りやあきらめはなしでいこう、、、とか言う話、今の若い子は聞きやしません(苦笑)。そんなに歳違わないんだけどなあ。
 今日はなんだか朝からギターが聴きたくてあれこれiPodいじってはギターが聴ける曲を選んで歩きました。朝はものすごく久しぶりにチープ・トリックの1枚目。今聴くと、リアルタイムで聴いていた時にはわからなかった彼らの「壊れ具合」がわかります。ハードロックというよりも、パンク的な音楽。今の時代でも通用する危うさがあって、ポップな表面とは違う一面に気づかされました。もちろんギターもばっちり聴けてよかったです。
 帰りは「ギターならなんでもいい!」とばかりにハワイアン(山内雄喜)、ジャンゴ・ラインハルトジェフ・ベック・グループの「Beck-Ola」とまったく脈絡なくいろいろと。たまにこういう「病気」にかかってジャンル関係なしに聴き漁ります。こうやって楽器に着目して聴いていると、やっぱり楽器の音色というのはただそれだけで人を魅了するのだなあと思います。スタイルも時代もばらばらですが、共通しているのは奏でている人の、ギターに対する愛着です。僕は理屈っぽい人間で、「詞なんて関係ないジャンル分けなんて無意味だ」という聴き方には心からの賛同は出来ないのですが、でも、こういう気分で聴いていると、なるほど、楽器とプレイヤーの幸福な邂逅は本当に素晴らしい成果を残すのだなあ、と感じてしまいます。
 さっきまで部屋には渡辺香津美の「ギター・ルネッサンス」が流れていました。バッハの無伴奏チェロ組曲のギター版に続いて「Across The Universe」が始まる感動は格別です。今はスーパー・ギター・トリオ(ジョン・マクラフリン,パコ・デ・ルシア アル・ディ・メオラ)の「Friday Night In San Fransisco」。超絶技巧のライヴですが、「ものすごく一生懸命演奏しました」というよりも、どこかに余裕をもって演奏しているような雰囲気があって、それがかえって恐ろしいほどです。誰もが言いますが「地中海の舞踏〜広い河」だけでもアルバム1枚分以上の価値があります。僕はこの3人のコンサートを観ています。それも素晴らしいものでしたが(「地中海の舞踏」もやってくれました)、やっぱりこのアルバムのテイクにはかないませんでした。それほどの名演ですね。
 夜も更けてきて、さすがに今は眠くなってきています。今聴くにはちょっと緊張感ありすぎかな、という感じの「Friday Night〜」ですが、それがかえって心地よく響きます。
さあ、やっと週末。みなさまお疲れさまでした。よい週末を。おやすみなさい。