小ネタ セサミストリート40周年

 某SNSで友人が書いたのを読んで知ったんですが、今年はあの「セサミストリート」が始まってから”も”40年だったんですね(グーグルの画面もクッキー・モンスターでした)。本当につくづく1969年てマジックイヤーだったと思います。
 ずいぶん前、僕が小学生や中学生だった頃、NHKで字幕も解説もなしで放送していたものをぼんやり観ていた記憶がありますが、なにもわかっていないその頃でさえ、画面を観ながら「これはただの番組ではない」と思っていました。もちろん実際のところはみなさんご存知のとおり。「モンティ・パイソン」がコメディ番組を変えたすれば、「セサミ・ストリート」は子ども番組を変えましたね。僕が言うまでもないですが。
 この番組は、有名人やスターがゲスト出演することでも有名ですね。そういう曲を集めたアルバムなども出ていましたが、僕はCDのボックスをひとつ持っています。題して「Songs From The Street」かっこいいタイトルですね。もちろんこれは番組で使われた曲を収めたものです。副題が「35Years Of Music」というとおり、2004年に発表されたものです。内容はビッグバードカーミットやバート、オスカーや子供達が歌った番組ソングが収録されていますが(アルファベットの26文字を強引に一つのタンゴとして読んでしまうビッグバードの歌なんか傑作!)、そのほかにゲスト出演したアーチストの歌もたくさん収められています。ざっと挙げますとジェイムズ・テイラーポール・サイモンロス・ロボスピート・シーガー、そしてもちろんスティーヴィー・ワンダーも。B.B.キングは「俺はBで始まる言葉が大好き、だからみんな俺を『B.B.キング』って呼ぶのさ」なんて気持ちよさそうにブルース歌ってます(笑)。オスカーの持ち歌「I Love Trash」をスティーヴン・タイラーがもろエアロ風に歌ったものなど、カッコイイし可笑しいし。こうやって挙げていくときりがないですね。子供達と一緒に歌っている大スター達はみんなとても楽しそうです。
 その中で僕が特に好きなのが、ビリー・ジョエルが歌う「Just The Way You Are」もちろん原曲はあの「素顔のままで」ですが、なんとビリー、ここではあのオスカーに向かってこう歌っているのです。「僕を喜ばせようとして生き方を変えないで/フレンドリーなんて君らしくないよ/君から「ありがとう」なんて聴きたくない/キミの笑顔なんてカンベンしておくれ/どうか今のままの君でいておくれ」(笑)。エレピを弾きながら、あくまで甘い声で大まじめにこれを歌っているんですよ。ところどころにオスカーの憎まれ口が合いの手で入ります。いやあ、自分の代表曲でここまで遊んでしまうなんてさすがです。教育って、実は面白くて楽しくて大人も一緒に夢中になれるものなんだなと、これを聴いていると実感します。
 今僕は4歳の娘と一緒によくNHK教育など、子ども向け番組を観ます。どれも質が高くて、観ていて大人も引き込まれるものも少なくありません。そういう流れを作った「セサミストリート」は、いつまでもみんなから愛されていくんでしょうね。
 前段で紹介したビリーの「素顔のままで」は、途中までずっとオスカーの汚さや下品さを讃える(?)歌詞ですが、最後のヴァースはオリジナルからの変更なしで歌われます。「ずっとずっと愛しているよ/心からそう想うんだ/これ以上愛せないほど愛しているよ/今のままの君が大好きなんだ」まったくそのとおり、ビリー、見事ですね。これこそあの番組を愛するみんなの気持ちに違いありません。