今でもリック・ウェイクマンを愛してます

shiropp2004-07-18

セックスピストルズA&Mと正式契約したときに、所属アーチストの反対にあって会社が契約を反故にしたというエピソードが有名ですね。で、その「反対したアーチスト」の代表に、リック・ウェイクマンがいたというのも、これまた年期の入ったロックファンには有名です。そのころ、リックは、契約相手の件で会社に圧力かけられるほどのスターだったんですね。
リックのレコードを今聴くと、最初から最後まで「B級」って感じです。でもあの頃(70年代のおしまいくらい)、僕にとっては、おお、新世代のロックとはこういうものか!という思いで聴いてました。世の中全体でも、けっこう評価が高かったと記憶しています。その後、世界はパンク・ニューウエーブ、MTVと、いろいろなものを経て、気がつきゃプログレ全体がフェードアウト。リックの名前も霞んでしまいました。知らない人はえっと思うかもしれませんが、彼は現在までずっとレコードを出し続けていて、それも100枚を越える勢い。ホントですよ。キャリアを考えたら、1年に2枚以上出している計算で、まったく呆れて、いやいや感動で言葉も出ません。おまけに、イエスに出たり入ったりの活動もあるわけですから、信じられません。同世代のたくさんのアーチストが作品発表の場を失い、現役感覚を失って久しいのに、この人だけは特別です(なんでなんだろう、すごい疑問だ)。
はっきりいってそのたくさんのレコード、どれもが名作力作じゃありません。もっとはっきりいうと、コアなファン以外にはちょっとお勧めできないものです(僕も全部は手出してません)。手クセのキーボードフレーズのオンパレード。でも、いいんですよねなんか。質が高いかどうかとは関係なく、和むんです。大ざっぱかと思えば繊細、冗長かと思えば意外にポップ。そしてその反対。やめられません。これからも、細く細く、でも確実に長く、聴き続けていくんだろうな。ロック界の動向とは全く関係なく。