マイケル無罪に思う

　こんなに大きなニュースになるなんて、ちょっとビックリです、マイケル・ジャクソン無罪評決。洋楽不況とか、こういうスキャンダルには関係ないんですね。そういう問題じゃないか（笑）。

　犯罪を肯定する気はまったくありません。これが無罪ではなく本当の無実だったのかは、正直わからないです。ただ、今回の起訴から始まった報道とそれに伴う論評は、はっきり「やったに違いない」というトーンで（ほぼ）統一されていました。これには大きな疑問を抱かざるを得ません。評決後に検事が「有名人であることが（評決に）影響を及ぼした」とコメントしていたと報道されていましたが、「そりゃ逆だよ」と思ってしまいました。むしろ、マイケルは「有名人」で「私生活がやじ馬的におもしろい」（よな？ネバーランドとか、マネキン人形に名前付けてるとか、例のTV番組でやたら無駄使いするところとか、僕もおもしろいと思いましたよ）ために、必要以上に悪く伝えられていたと感じます。モノが未成年を対象とした性犯罪であり、しかも物証がないのなら、もっと慎重な報道があってしかるべきだったのに、それこそ「マイケルにかこつけて」言いたい放題だったと思います。で、この結果。
　僕が接した限り「やった、マイケルはやっぱり無実だった！」という感じのニュースは、まあ、ほぼ皆無ですね。「『真実の闇』晴れず」（毎日新聞）とか、要するに「評決は無罪だったけどムニャムニャ」という感じばかり。「物証が乏しく、証言が頼りだった」なんて書いてありますが、だったらなおさらデリケートな報道が必要とされるのに、それを自分たちでさっさと放棄しておいて、結果が自分たちに都合が悪かったら、真実は自分たちの思った通りに違いないという態度（はっきり言わないところがなおさら卑しいな）。
　僕はマイケルのCDも持っています。同年配（オヤジ）本格的ロックファン（笑）の中では、彼に対して肯定的です（けっこう驚かれますね）。ただ、僕は彼の人柄が良いの悪いのとは関係なく、彼の音楽が好きなのです（マジで）。彼が犯罪者なのかどうかは今のところは「法的には無罪」で決着がつきました。今度は、彼の音楽と芸術がそれに相応しい評価と批判をされる、という状態になることを願います。

追記：なんか真面目すぎたのでちょっとフォロー。
　なんだかんだ言っても、うちもけっこうネタにしてますよマイケル。ジャクソン５の頃の写真は、うちの夫婦の間では「黒人だったころのマイケル」とか言ってますし。「どこで止めるべきだった、整形？」「うーん、87年かな？」なんて感じで。このくらいなら許されるよね？？