磨き続ける。作り手も、聴き手も。

shiropp2005-07-04

 行きの電車の中ではニュー・オーダーのベストとトーキング・ヘッズの「Stop Making Sense」。昔はどちらかといえばニュー・オーダーの方が好きで、ヘッズはなんとなく「気取った」感じでもう一つのめり込めなかったんですけど、今はヘッズの方がしっくり来ます。今も昔も、ヘッズ(デビッド・バーン)といえば、まず「知的」という言葉が浮かぶんですが、今になってわかります、この音楽の持っている「色気」のようなものが。それはつまり彼らが、自分たちの音楽を信じていたという証拠なんですね。

 ロッキング・オン8月号に松村雄策氏がポール・マッカートニーについて書いています。それがとてもよかったので、帰りは久しぶりにポールを聴きました。「McCartney」から始まり「Back In The U.S.A」から何曲か。
 「McCartney」は磨かれる前の宝石〜「原石」〜の詰まった箱だとよく言われます。それはそのとおりでしょう。でも、今聴くと、もう「原石」の趣は感じられませんね。これはこれで、堂々たる輝きを放っています。発表されたときには誰も質が高いと思わなかったこの作品は、その後ライブで繰り返し取り上げられることで、ポール自身によっても磨かれましたが、「なんだこれ??」と思いながらも聴き続けたファンによっても、「聴く」という行為によって磨かれていったんだと思います。簡単に見切りをつけるのではなく、長く長く1枚のレコードを聴き続けることのすばらしさを、「McCartney」は教えてくれます。
 「Live8」が新聞に載っていました。ボノと並んで「Sgt.Pepper」を演奏するポールの映像も見ました。最近もコンサート活動を盛んに行っているようです。また、日本に来てくれるんでしょうか?待ってますよ、ポール。