そういえばルックスも殆ど変わらないですねこの人

 なんのCMだったかは憶えていませんが(酒だったよな)、今オンエアされているコマーシャルにチャーが出ていますよね。クレジットは「AMANOJACK」となっていて、これはチャーの新しいグループ名なのか、曲名なのか?それはさておき、この人のギター、僕にはいつ聴いても「いいなあ」と思わせてくれるもののひとつです。スタイルを考えてみれば、きっぱりとオールド・ファッションなんですけれど、この人が奏でるギターの音色やフレーズ、いえ、「チャーがギターを持っている」こと自体が、形式を超えて魅力的なんです。たくさんのギタリストがいる中で、そんなふうに思わせてくれる人はチャーだけですね。なぜなんだろうと考えるのですが、答えは出ないんです。技術?音楽のタイプ?ルックス?単に昔から知っているから?うーん、どうもしっくりこないなあ。結局は「チャーの音楽そのものが好き」としか言えないのです。
 正直に言ってしまうと、いつもいつもチャーを追いかけているということはなく、折に触れて、という感じで細く長く聴いているのが実情なのですが、最初に書いたCMみたいに、思いがけず聴いて「ああ、いいなあ、いつもどおり、いいなあ」と思うのです。今改めて考えてみたんですが、答えは出ないまでも「もしかして、音色かなあ?」と思ったりしています。
 「Free Spirit 1979.7.14」は、伝説といっていい、日比谷音でのJ.L.Cのフリーコンサート、奇跡の完全盤です。限定版アナログを持っている僕にとっても、この日の模様がすべて聴けるこのボックスは、格別のものです。僕の記憶が確かなら、当時チャーは薬物関係のスキャンダルでホサレていて、活動再開の幕開けがこれだったはずです。
 僕はこの日、どうしても会場に行きたかったのに、期末試験が終わった学校が企画した「バレーボール大会」なんてくだらないもののために時間を取られ(雨模様だったのに中止にならなかった!)、それが終わったのが夕方だったため「今から行っても入れないだろうな」とあきらめてしまったんです(実際は徹夜組もいて、当日の昼間に行ってどうこうできる状態ではなかったらしいのですが)。限定盤のアナログはその何ヶ月か後に出たもので、ちょっとゴリッとした音質も魅力的な名盤でした。
 完全版はアナログよりは鮮明になりましたが、それでもゴリゴリした音の魅力はそのまま生きています。ブックレットなどを読んでも、会場の盛り上がりはすごかったようで、そんなものを読むと、あのときのくやしさが甦ってきそうです。演奏はもちろんロックの魅力大爆発ですが、やっぱりチャーのギターは特別に聴こえます。ギターに語らせるという表現がありますが、チャーの音楽はまさしく、その典型の一つですね。Free Spirit 1979.07.14