本当は和やかな日記のはずだったのに・・・

 今日はドレミちゃんの生後100日ということで、お食い初めをやりました(仕事で大変だったのに送り出してくれたボスと同僚のみんな、ありがとう)。というわけで、本当はその写真をアップしようと思っていたのですが・・・。急遽予定を変更しまして、別内容を書きます。
 「トリビアの泉」で少し前に「ジョンとヨーコが互いに呼び合っているだけのCDがある(「Wedding Album」のことです)」というトリビアがありました。あれについては僕もこのブログで書きましたし、コメントもいただいきました。個人的には「納得はしないけど、まあ大目に見よう」ぐらいの気持ちなんですが、今日またジョン関連のトリビアが取り上げられていました。未見の方のために書きますと「ヨーコが22分に渡って変な声を出しているだけのCDがある」というものです(一字一句このとおりではなかったですが、『変な声』というのは放送でも使用されていた言葉です)。
 種を明かせば、ヨーコが1971年に発表した「Fly」というアルバムのタイトルナンバーがヨーコのトリッキーな叫び声に始終しているのを取り上げたものなんですが、ちょっとどうなんですかねこれは?これがトリビアかどうかはこの際どうでもいいです。これを笑いの種にしていいのか、という問題です。
 このレコードはジョンの「Imagine」と同時期に制作されたヨーコのソロアルバム(2枚組)ですが、ビートルズの熱心なファンならご存じのとおり、当時のヨーコの音楽は、ジョンとの結婚前から取り組んでいた前衛芸術の影響が強く、ノイジーなバック演奏に叫び声が乗るというスタイルの曲を数多く発表していました。当時も今も、大々的に(売れる、という意味で)評価はされていませんが、好き嫌いはともかく、1人の芸術家の真摯な作品であることは間違いないはずです。僕自身は、正直日常的に聴くわけではないですが、聴けばその、表現に対するなんのてらいもない正直な姿勢には感服します。時折不思議な、美しいメロディーや響きが聞こえてくるところなど、捨てがたい作品でもあります。
 で、今日のトリビアです。ああいう番組なのでしょうがないのでしょうが、あの笑い方はどういうことなんでしょうかね?オンエア後に曲の説明(映画のサウンドトラックであること、一般的な評価はまったく低かったが一部の批評家には絶賛されたこと)をしている間にも笑いが起こっていて。
 一般的ではないもの、自分の常識から離れたものなら笑っていい、そういうことなんですかね?ああいう番組では「これはバラエティだから、真面目に批判するのは野暮」ということになっているんでしょうか?
 僕はあのトリビアで馬鹿笑いをしているタレントたちを、例えば「ピカソの絵くらいおれでも描ける」なんてことを言って笑っている子どもと同じレベルだと思ってしまいます。ヨーコの作品には、一般的なイメージでは捉えきれない多くの要素があり、ほめるにしろけなすにしろそれなりの努力が必要です。普段接するのとは違う印象の芸術作品ならば、なおさら鑑賞者はその鑑賞姿勢を問われるでしょう。ヨーコの作品だから、というわけではなく、自戒もこめて、心したいと思います。最後に「トリビアの泉」に一言、芸術作品を取り上げるときは、もっとデリカシーを持てよ!

 追記
 さっきテレビの「世界の車窓から」を観たら、画面はスイスのきれいな風景なのに、音楽がストーンズ、しかも「Gimmie Shelter」!ものすごく違和感ありました。