コルトレーンの「音色」にくつろぐ

shiropp2005-12-29

 crayolaさんの日記に触発され、今コルトレーンを聴いています。さっきまでエリントンとの共演盤、今は「My Favorite Things」(アルバム「Selflessness」の名演)が流れています。
 コルトレーンの音楽について語られる言葉や評論の殆どすべて、僕には理解不能です。というか、その殆どがコルトレーンの音楽ではなく、コルトレーンの音楽が「あのようになった理由や目的」を論じているように思えるのです。それはそれで重要なテーマだし、彼のような一種の精神性を大切にしたミュージシャンの音楽を語るうえでは不可欠な論考でしょうが、なんかそればっかりではねえ。読んでいると時代背景やら演奏法やらの情報はいっぱい入ってきますが、肝心の音についてがどうにも、、、。これは音楽全般に言えますけど。それにまた、コルトレーンについてはみんな語る語る。批判的(というか、ある程度距離を置くような書き方)な人まで、とても饒舌に語っています。それだけ聴き手の想像力をかき立てる音楽なんでしょうね。
 僕は(いつも書いてますが)ジャズに関しては語るほどの語彙を持たないので、そのかわり耳を傾けます。僕が聴くジャズの殆どはインストものなので、言葉を介することなく直接対象に対面します。
 そのようにしてコルトレーンと対面すると、一番感動するのはあの「音」です。それこそ「Ascention」にも「Ballads」にも共通するあの、深くて存在感のある音色です。けなされることも多いインパルス時代に彼ですが、この音色の最も素晴らしいのは、そのインパルス時代だと僕は思っています。バラードでもアップテンポの曲でも、ほとんどフリーのようなナンバーでも、あの音色に導かれて奥まで入っていけます。
 今部屋に流れているのは、ご存じ「Ballads」。妻がお風呂から上がってきたので、あんまり「Love Supreme」とか「Africa/Brass」とかプレイできないんです(笑)。でも大丈夫。あの音色は、このアルバムでもしっかり聴けます。こういう聴き方は、もしかすると間違った鑑賞法かもしれませんが、個人的にはとても気持ちいいです。年の瀬なので、少しくつろいでみましょうか。いつもかな?(笑)。