今日は軽い思い出話です

 今日偶然、ふだんは観ない大相撲初場所のテレビ中継を観ていたら(親のところにいたらついてたんです)、解説にデーモン小暮閣下がいてビックリ!。時々画面に現れるのが、いつもの姿そのままで、しかもテロップで「デーモン小暮閣下」と、ちゃんと「閣下」までついているので大笑いしてしまいました。僕としては久しぶりに観る閣下は、少しやせられたかな?という感じでしたが、まあいつものノリでお話しされていました。お元気そうで何よりです。
 僕は聖飢魔IIのコンサートを1回だけですが観ています。今日はその思い出話を。
 あれはもう遙か昔(笑)、僕が大学生のとき、学園祭でロックコンサートがあったんです。出演はダディ竹千代と東京おとぼけキャッツと聖飢魔IIをサポートにして、ヘッドが当時人気のあったアースシェイカーで、僕は友人と一緒にそれを観に行きました。特にどのバンドのファンということでもなく、ロックだから行くという感じで。当時東京おとぼけキャッツはけっこうメディアへの露出も多く、名前は知られていました。聖飢魔IIはまったくの新人(メジャーデビュー直後)で、僕も存在を知っているだけでしたので、ある意味まったく白紙の状態でした。
最初のバンド、おとぼけキャッツは一種の学芸会的なノリで強引に進める感じで、その狂騒的なステージの端々に洋楽の教養がにじみ出る、僕には楽しいステージでした。
 で、次に聖飢魔IIが出てくるはずだったのですが、なぜか出てきません。出てこないどころか、コンサートそのものが始まらない、、、つまり、おとぼけキャッツが終わった後、客電がついたまま何も始まらないのです。なにか機材のトラブルかなあ、くらいに思っていた僕たちでしたが、それが10分を越え、20分を越えるにつれてだんだん不安になってきました。どうなってるんだこれ?というわけで、みんな暴れこそしませんでしたが、明らかに困惑してます。
 結局1時間くらい(記憶があやふやですが、もっと待たされたかもしれません)遅れて客電が落ち、やっとコンサートが再開しましたが、なんと出てきたのはヘッドライナーだったはずのアースシェイカーだったのです。
観客はやっと始まったコンサートに、とりあえず大喜びで歓声を上げています。その時にバンド側からやっと、長いインターミッションについての説明がありました。つまり「交通機関に遅れが生じて到着が遅くなってしまった」ということでした。
 時間が遅れたことはともかく、始まった以上はコンサートは盛り上がり、そして終了しました。アースシェイカー終了時点ですでに予定のコンサート時間をほとんど使っていましたから、普通に考えたらこれでこの日のプログラムは終わりです。事実もう出演した2バンドのファンらしい人たち(ほとんどがアースシェイカーのファンでした)は帰っていきます。しかしふと気がつくと、ステージではセットチェンジをしており、終了のアナウンスもありません。その日、特に予定もなかった僕と友人は、これから何かあるのかなと思って会場に残りました。だんだん人が減ってきて、会場の規制もないので、僕たちはステージのすぐ下までおりていきました(会場は大学のホールだったのです。)
 20分ほどして、1/3くらいに減った会場に突然「遅くまでいてくれてありがとうよー!」というだみ声が響き、聖飢魔IIが出てきました。その時が初めて、そして唯一の、僕の聖飢魔II体験です。
 まだサポートアクトでしたから、ステージセットなどはなかったのですが、演奏やノリはそのころから変わらず、演奏ではヘヴィメタルな姿を聴かせ、MCでは閣下が笑わせるというものでした。途中で、「次の曲はみんなで歌ってもらうから練習しよう」と言って歌唱指導を始め、歌っていない人を見つけたら「お前だけ個別に練習だ」と言いながらステージを降りて客席に入ってきました。そのときにはもうステージ前は、残った観客が集まって総立ちの状態だったので閣下の姿は埋もれてしまったのですが、マイクで声だけが聞こえ、「痛い!こら、みんなあんまり触るな!」なんて言っていたのが大受けでした。みんな閣下に触っていたのですね。どうもアースシェイカー聖飢魔IIは同じ事務所だったらしく、MCで「2バンド一緒に移動していて一緒に遅刻してしまって、事務所の社長は真っ青だった」なんて話していました。
 コンサートが終わり会場から出てきてみたら、もうすっかり夜になっていました。予定では夕方だったはずなのに。でもなにか、とても楽しい気分だったのを憶えています。悪魔がなんとか、地獄がどうとか、メタルがどうしたといっても、どこか明るく、人を楽しませることができる、閣下の人柄(人じゃないんだっけ?)は今と変わらずでした。