初節句と、ストーンズ縁の下の力持ち

shiropp2006-02-05

 昨日の事ですが、ドレミちゃんの雛人形の飾り付けをしました。諸般の事情により(笑)、○段飾り!とかではないんですが、我が家にとっては記念すべき初節句です。僕には妹がいるのですが、妹の雛飾りはずっと小さいころに壊してしまい、それ以来節句の飾り物は我が家にはなかったので、ドレミの親である僕と妻は当然ですが、同居している両親もなんだかハイテンションで、まだよくわかっていない本人そっちのけで大はしゃぎでした(笑)。友人の話では、来年(ドレミはそのころ1歳半)になると人形を掴んで投げるくらい朝飯前になってしまうので、今が一番ゆったり飾っていられるんだそうです。そうか、そうなのか。来年は娘とイヌは両方いっしょにイヌのサークルに入れて、そこから見物させようか(笑)?
 さて、話はがらりと変わりますが、今はロン・ウッドの「Gimme Some Neck」を聴いています。もちろんストーンズ来日関連でもありますが、ちょっとだけ初節句にも関係あるのです。といっても大したことではないですが。この土日は比較的のんびりしていたので、ぼんやりと「ドレミちゃんを嫁がせるんだったら、ストーンズの誰がいいかなあ?」と考えていたんです。「はあ?」と思ったみなさんに補足しなければなりませんね。これはストーンズが不良の代名詞だったころにイギリスでよく言われたもので「自分の娘をストーンズの誰かのところに嫁にやれるか?」という、ジョークというか、親への忠告というか、そういうのがあったんです。「それほどの不良なんだ」という意味なんでしょうね。今だったらみんな大歓迎なんでしょう。今では評価が全然違うし、1人は貴族だし(笑)。
 で、誰がいいかなあ?なんて考えていて、結局出た結論が「ロニーならオッケー」というものだったんです。なんか彼、一番人の気持ちがわかって、しかもそれを変に利用したりしないような気がして、彼なら娘を任せるかな?なんて、、、いや、実際のロニーがどんな人かは全然知らないんですけどね。そんな感じ、しませんか?
 前々から「いい人なんだろうなあ」と思っていたロニーへの気持ちが尊敬にまでなったのは、忘れもしない、あの初来日のときに「ロッキング・オン」に掲載されたインタビューででした。ファンはご存じのとおり、「Steel Wheels」制作前のミックとキースの確執はかなりせっぱつまったもので、ヘタをするとストーンズ解散か?というあたりまでいったんだそうです。結局解散はせず今日に至っているわけですが、その時(80年代の終わり頃)のあの2人の間を取り持ったのがロニーだったんです。
 あの時のインタビューによると、まずロニーはキースに連絡を取り、「ミックから連絡が来たら前向きに話をする」という約束を取り付け、すぐ後にミックに連絡し「今すぐキースに電話しろ」と迫ったんだそうです。今更そんなことをしたくない、というミックに「大丈夫、うまくいくから。俺を信じろ」と説得し、見事に2人の仲介役を成し遂げたんです。インタビューでは、今からキースの滞在先の電話番号を言うぞ、と話したところ、ミックが「ペンを持ってくるからちょっと待て」と行って受話器から離れたときに、ああ、なんだかんだ言ってちゃんと話がしたいんだなと思ったと話しています。電話を切ってからすぐにミックから折り返し電話がきて「もう大丈夫だ」と言われたとのことで、「やっぱりあの2人(ミックとキース)は、根の根のところじゃ友達なんだ」と話すロニーの一語一語に、友達に対する思いやりと、グループに対する愛情が感じられて、感動したんです。
 この人、第1期ジェフ・ベック・グループでもギターからベースにコンバート(そういう楽器の持ち替えは「格下げ」を意味していて、ジェフはロニーに相当低姿勢でお願いしたと、こっちはジェフのインタビューで読んだことがあります)してバンドを支えていました。フェイセズでもロッドを盛り立てていたし、なんかいつもそういうところでがんばっています。そしていっつも、すごく楽しそうです。考えてみれば、この人はストーンズでは「後から来た」人ですよね。でも、今このグループが健康に存続しているのに、この人の貢献は大きいと思います。なによりも、あの笑顔が、とても好きです。
 「Gimme Some Neck」は1979年、ストーンズでいうと「Some Girls」の次の年に発表されたソロ・アルバム。よく聴き込むと、ストーンズとは少しニュアンスの違う、イギリス特有の陰影のあるロックンロールを演奏しています。ボーカルもなかなか味があっていい感じ。そしてカバー・イラストが本人の筆と知った時はほんとに驚きました。画家としても評価が高いというのを知るのはずっと後でしたので、「ミュージシャンなのに!?」とビックリしたものです。
 ・・・・そんなわけでですね、僕はいつの日かドレミちゃんがロニーを連れてきて「私、この人と結婚したいの」と言われて、ロニーが「オジョウサンヲボクニクダサイ、オトーサン」と言われたら、すぐに許すつもりです。そのときは「よし、娘はくれてやる、そのかわりここにサインしろ!」と言って、「Gimme Some Neck」のアナログ盤を差し出すことにしましょう(笑)。