今、あの「星条旗」に匹敵するものはあるんだろうか?

 今日、ドレミちゃんをお風呂に入れる準備をしていて、ふと新聞のテレビ欄を見ていたら、WowWowで「ウッドストック」放送しているっていうのを発見!慌ててテレビをつけたら、ホントだ!やってました。それもちょうど僕の好きなシーンで、それは小さな子供たちが会場(あの泥だらけの野っ原やステージ脇)を走り回ったり遊んだりしているところでした。よく観るとベビーカーに乗っている子どもまでいて、一体どうやって来たんでしょうね、不思議です。で、そのシーンに続いてジョン・セバスチャンがギター1本で歌い出して、すごくいい感じ。
 そこまで観てお風呂に行ったんですが、ドレミを先に上がらせてママに渡すときにちらっと居間を観たら、テレビの中ではスライが踊っていました。自分が上がってきたら、ジミが星条旗を弾いているところでした。お風呂に入っている間にサンタナも出てたみたい。
 よく雑誌で、ウッドストックとかフラワー・ムーブメントについて「甘ったれた運動」と書かれることが多いですが、あれ、今でもなんであんなにけなされるのかわかりません。いや、僕だってさすがにあのムーブメントの末路も知っているし、あの時の観客の多くがその後ヤッピーになったということもわかっていますが、それにしてもあれはあれでそれなりに真面目な運動だったと思っています。その後のロック、その後の若者世代の運動なり思想なりが、完全にウッドストック的なものを乗り越えていったんなら別ですが、、そんなことないでしょ?あのロンドンパンクだって、そんなふうには展開していないわけだし。もう少し公平な目で見てもらいたいもんです。
 僕が初めて「Woodstock」を聴いたのは高校1年のとき、もちろんリアルタイムじゃありませんよ(笑)。国内盤は高くて、輸入盤を買ってきて(アナログで3枚組でした)、A面聴いてひっくり返したら突然F面(3枚目のB面)が始まってビックリ!というか、信じられませんでした。えーっ、不良品なの!?しばらくパニックしたあと冷静にレコードを確認したら、なんと1枚目から順に「A面・F面」2枚目「B面・E面」3枚目「C面・D面」となっていたんです。そういう仕様だったんです。何かの本で、外国盤ではそういう面構成があるというのを書いてあって、そうか、これがそうか!と膝を打つのはずっと先の話、その時はほんとに焦りました。
 このレコードからはたくさんのアーチストを教えてもらいました。CSN&Y、ジミ、スライ、サンタナジョー・コッカー、そしてもちろんザ・フー(フーは正確にはこれが初体験ではありませんでしたが)。今でもあの大きな、三面鏡のように開くジャケットを見ながら聴いていたときのことを思い出します。ムーブメントの評価も変わり、世界も変わりました。でもそこにある音楽の価値は変わりません。いや、あの時よりも高くなっていますね。あのときは誰も思わなかったでしょう、こういう音楽が永遠の生命を持っているだなんて。
 さっきのテレビの中で、裸で走り回っていた子どもたちは、今どこでなにをしているんでしょう。。

Woodstock

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