ライヴレポ ローリング・ストーンズ 3月22日東京ドーム

 まさかオープニング・アクトがあるとは!?という驚きとともに始まったストーンズ東京公演。この情報はみんな知っていたんでしょうか。情報シャットアウトが裏目にでたのかもしれません(ほんとに大急ぎで職場をでたので)。僕の回りの観客もなんとなく困ったような感じで聴いています。結局7時から30分間の演奏、その後約30分のインターミッションで8時過ぎにストーンズが登場。
 1曲目はなんと「Jumpin' Jack Flash」!。まさかこれでくるとは。次の「Let's Spend The Night Together」は「Still Life」が大好きな僕にはとても嬉しい選曲でした。そして「She's So Cold」も、僕は初めて聴くものでした。
 今回のコンサートで、僕が1番驚きかつ嬉しかったのは、この「定番以外の選曲」ですが、初日は「Sway」「As Tears Go By」「Get Off Of My Cloud」そしてレイ・チャールズのカヴァーなどがそれに当たりました。
 さて、今回のツアーは、いつもよりも「これが最後?」という報道が多くなされていました。年齢的なものがあるのは当然ですが、もう一つ、チャーリーの身体のことが原因だったと思います。なのでどうしてもチャーリーのプレイに注意が向かってしまいます。始まる前はなんとなく「彼らしいプレイが聴ければいいや」なんて後ろ向きな予想をしていたのですが、とんでもない勘違いでした。とにかくパワフル。年齢など関係なしの素晴らしい演奏をする、これはメンバー全員にいえることでしたが、チャーリーは特別でした。まったく休むことなく、まったくもたれることなくビートを鳴らし続けていました。リズムが走ることはあっても「遅れる」ことなんてまったくなし。バンド全体を煽るような印象さえありました(そしてそれは、2日後にとんでもないレベルでさらに強く実感できました)。
 キース、ロニーともいい感じ。ビックリの選曲で感動の「As Tears Go By」や後半に演ってくれた「Paint It Black」などではキースのギターのテクニカルな部分も披露されました。もちろん、というべきか「Honky Tonk Women」や「Start Me Up」の「キースがキースである所以」プレイも健在でした(笑)。
 そしてロニー。この人もアルコール依存のニュースなどがあって、チャーリーと違う意味で心配だったんですが、あのキースとタッグを組んでもういうことなし、きっちりアンサンブルを構成していきます(一体キースと組んであれほどのコンビネーションを、他の誰が出来るでしょう)スライドプレイも好調。控えめな才人は、今回もしっかり土台を支えていました。
 それにもちろん、ミック・ジャガー。この人にとって、年齢からくるパブリック・イメージなんてなんの意味もないに違いありません。とにかく最初から最後までステージで全力投球。日本語でアナウンスするわ、客席に入っていくわ。セカンド・ステージでもぐるぐる回って観客を煽るわ、「縦横無尽」とはこのことでしょう。なにより、「枯れた」という印象を一瞬たりとも与えない全力疾走ぶりは、もしかしたらもっともっと感動と称賛に値するのかもしれません。
 そう、この日のコンサートを観て、ストーンズは「もう限界」といわれることもあるロックの真価を信じていて、それに向かって走っているんだと感じました。いつもの彼らのコンサートと同じように、この日も僕は感動していました。
 ただ、この日僕は2階席の上の方にいたためかPAの調子がそうだったのか、全体的な音量が不足しているような印象、とくに低音が鳴っていないような感じで、そこがちょっとなあ、という気持ちがありました。
 そして、2日後の24日。ここで僕は、とんでもないものを観たんです。
 ※ちょっと長くなったので今日はここまでにしときます。明日にでも24日の分をアップします。

Rarities 1971-2003

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