「HELP!」にまつわるエトセトラ

 今日のニュースに「英国でのアップルとアップルの裁判はアップルの勝利」というものがありましたね(笑)。ビートルズのファン、マッキントッシュ・ユーザーにはなんのことかピンとくるかと思いますのでこのままにしとこうかとも思いましたが、それじゃあんまりなんで少し補足。
 パソコンやiPodを作っているアメリカのアップル(アップルA)とビートルズの作ったアップル(アップルB)が「iTunes Music Store」でのアップルAのロゴの使用が、かつて両者が合意した和解条項(アップルAは音楽関連の事業には参入しないとかいうもの、ちょっと正確じゃないかも知れません)に違反してるんじゃないかということでアップルBが起こした裁判です。結局はアップルAの勝訴ということで、引き続いてアップルAは音楽配信事業であの「かじられリンゴ」マークを使えるということらしいです。時々思うんですけど、リンゴ同士仲よくできないんですかねえ?僕のようなビートルズが好きなマック・ユーザーはどっちが勝っても(負けても)楽しくないです。
 5月3日にある催しを観に行きました。その時の物販で買った同人誌「本家立川流 第7号」。内容は快楽亭ブラック師匠の闘病記など、ちょっと読み手を選ぶ(?)内容でここで詳細は紹介しませんが、その中の、立川談之助師匠執筆による「快楽亭ブラック 借金&入院騒動」という文章の中に、こういう一文がありました(二重鍵カッコの中、最初のセリフは突然倒れた急患のブラック師匠を診察した医師のものです)。
『「背中が痛いというので、もしやと思って念のためCTスキャンをかけてみたら、大動脈がカイリしていました」カイリ!で私が思いつくのはビートルズ映画の「HELP!」でレオ・マッカーンが教祖になった怪しげな宗教だが、もちろんブラックさんの病気はそんなものではない(shiropの注、ここでのカイリの正解は「乖離」です。つまり大動脈乖離)』
 もちろんこの同人誌は、内容も面白く、価格以上のものだったと思っています(おまけで落語会の実況CDまでついていたんだから)。しかし、上に引用したところを読んだ時、僕はものすごく「元を取った」気持ちになってしまいました。例えばロック雑誌を読んでいてビートルズが登場してもそれは単なる予定調和ですが、こういう一見全然違う分野のなにかにひょっこり出てくると、なんかうれしいです。今回は重病にかかった落語家さんの記事の中なので、不謹慎なのかも知れませんが、思わず「おっ!?」っとときめいてしまいました。
 ビートルズ聴き出して今年で30年(歳とったもんだよ)ですが、今でもこういう場面に出くわすとうれしいです。外出先やテレビなどでビートルズ・ナンバーが流れてきても同じように反応するので、よく家族にからかわれます。でもしょうがない、反応しちゃうんだもん(笑)。それほど好きなバンドがあるということの幸福は、からかわれたくらいじゃ手放せませんね。
 今こうして書きながらのBGMはもちろん「HELP!」。ちょっと前に出たキャピトルのボックスに入っていたアメリカ編集のサントラです。昔はあんまり好きじゃなかったものですが、今ではイギリスのオリジナルとは違うテイストを楽しめるようになりました。映画に使われたサウンドトラックが入っていて、映画の追体験ができるのもいいですね。シタールビートルズの歴史に初めて登場するという意味でも貴重です。映画の「HELP!」は中学生のときテレビで放送して、しばらく友達のあいだで「ドーバー海峡はどっちですか?」というギャグが流行しました。そうそう、カーリングという競技を初めて知ったのもこの映画です。ずっと昔に付き合っていた女性が、ジョンの「London」というセリフが最高にすてきだとよく話していましたっけ。
 うーん、最初書き出したときは「ビートルズにちょっとでも関係ある話題だと僕のようなファンは反応する」っていう趣旨のはずだったんですけれど、なんかずれてしまいましたね。ビートルズ聴いていると思い出す事も多いです(苦笑)。でも、ファンはみんなそうじゃないのかなあ?

The Beatles 1962-1966

The Beatles 1962-1966