今日はほんとに日記です

 今日は用事があって鎌倉に行ってきました。用事が済んで小町通りを歩いていたら、鏑木清方記念美術館で、大佛次郎ゆかりの企画展をやっているというポスターを見かけ、時間もあるので観てきました。ここを訪れるのはたぶん初めてで、入館料300円というこじんまりしたところでしたが、よかったです。戦後すぐに発行されていた雑誌の表紙絵を、大佛に頼まれて描いたという解説でした。色紙大の大きさに描かれたのは一種の美人画で、定期刊行の雑誌らしく「菖蒲湯」「菊」「松之内」「宇治の蛍」など季節の風物を題材にとったものでした。どれも本当に美しい。
 僕は清方に関してはほとんど知識ゼロだったんですが、引き込まれるような美しさを持ったものでした。小説の挿絵もやっていたようで、鏡花の「日本橋」のために描いた、女の子の人形が俎板の上にあり、そこに包丁を添えた絵というのが不思議で妖しく、印象的でした。鏡花の挿絵は他に「高野聖」のものもあり、これはお話自体のせいもありとても艶めかしいものでした(特にヤバイものが描かれていたわけじゃないですが)。
 今日観た展示品の掲載されている図録を求めたら、大佛の随想も3編収録されていてラッキー♪。それにしても小さな美術館で静かなところでした。数日前の藤田嗣治展の喧騒とは正反対の雰囲気でしたね。僕は大満足しました。
 そのすぐ後に古書店に入り、偶然大佛の随想集「今日の雪」を発見、手に取って見たら、なんと「ビートルズを見た」という文章を発見。もちろん購入。巡り合わせに驚きと感謝。その古書店では他に永六輔「わらえてい 芸能100年史」、安達治郎「そめくさ染夜記 古代染誌」という本を購入しました。大佛は1000円、他の2冊はそれぞれ300円。「古代染誌」は上代染について概略を解説したもので、僕はその方面にはまったく暗いのですが、古事記万葉集が引き合いに出されていた冒頭部分を読み、一種の歴史もののような気持ちで買ってみました。家族へのお土産に和菓子も買って電車へ。
 今日の鎌倉は蒸し暑く、しかも最初は曇っていたのが帰る頃には快晴。スーツで行ったので汗びっしょりで帰宅して、イヌと遊んでイヌと昼寝して、散歩にでも出ようかと準備を始めたら大雨に。雨は一時でしたが散歩はキャンセル、かわいそうなイヌは元気が余ってしまって大騒ぎしていました。今日は本当に天気がコロコロ変わりましたね。夕方帰宅した妻によると虹が出ていたとか。ちなみに今日は僕も妻も、同居の両親もそれぞれ別の用事で外出していて、全員が個人行動の1日でした(ドレミちゃんはもちろんママと一緒)。
 休日の鎌倉に行くのも久しぶりなら、1人で行くのも何年ぶりだか、という感じでしたが、それなりに楽しかったです。欲をいえばもう少し湿度が低ければよかったなあ。
 今日のBGMもクラシック。モーツァルトのピアノ協奏曲第5番、イングリット・ヘブラーのピアノ。全然奇をてらわない、飽きの来ない演奏です。ピアノ協奏曲の若い番号のものは本当に可愛らしくて、なんの陰りもない感じですね。そういえば今日の朝日新聞の別冊で、生誕250年のモーツァルトブームのことが記事になっていました。つまみ食いみたいなコンピレーションが売れるのはあんまり感心しませんが、音楽を聴くきっかけになるのならいいのかな?ともちょっと思います。まあ「モーツァルト聴いて子どもを天才に!」とかいうのはちょっと勘弁ですが(苦笑)。
今日はなんか文化的(?)な1日だったなあ。楽しかった。

モーツァルト:ピアノ協奏曲全集

モーツァルト:ピアノ協奏曲全集