退院、11ヶ月、64歳

shiropp2006-06-18

 昨日は基本的に僕が病院で付き添いました(妻は熱が下がらないので最初の1時間ほど一緒にいただけでした)。ドレミは熱も下がっていて、ご機嫌もよかったです。で、妻が帰ったあとドクターがやってきて「今朝の検査の結果、大丈夫と判断されましたので、明日退院できます」。は?月曜日のはずだったんじゃないの?ものすごくナニな話ですが、一番最初に頭に浮かんだのはまだ熱が引かない妻のこと。思わず「妻の調子が悪いのでもう2・3日預かってもらえませんか?」と言いそうになりましたが(笑)、それはそれとしてうれしい変更。すぐに家に電話をしてしまいました。
 実は昨日、かねてから妻の母が遊びに来る予定でした。ドレミの入院があって予定変更しようかと連絡したのですが、妻も具合がわるいということでそっちの世話をするために駆けつけてくれました。なので僕は病気の妻を置いて病院にいられたわけです。
 病室は6人部屋で、すぐ隣のベッドに、ドレミとほとんど同い年(誕生日がちょと早いだけ)の、とても可愛い男の子がいたのですが、そこのお母さんと話をしていて、なんとかかりつけの医院が同じ、症状もほぼ同じで、1日遅れでこの病院に入院しているということがわかりました。奇遇ですねえとか話をしていたんですが、子供同士がなんかいいムード。ドレミもその子の方を見ているし、その子もこっちを見ていて、そのうちベッドのバー越しに手を伸ばしあっています。病院なので遊ばせたりはしませんでしたが、おもちゃを交換したり、おしゃべり(?)したりで楽しそうでした。おかげで親同士も話が弾んで退屈しませんでした。
 で、夕食を食べさせるところまでドレミのそばにいて帰宅。帰ってきたら家の中がなんか違う。いつもよりもきれい。なんと義母が妻の看病をしながら家の中を掃除してくれていたんです。おまけに夕食まで作ってくれていました。ホントにす恐縮です。金曜日は気が張っていて言い合いまでした僕ですが、こうして落ち着いて考えると、苦労しているのは僕1人ではありませんでした。僕の両親も含めてそれぞれできることをしているんです。たぶん何時間も働き続けていたに違いない義母の姿を見た時には、申し訳ない気持ちになってしまいました(義母は結局この日はうちに泊まっていってくれて、今日も夕方まで掃除や孫の面倒をみてくれました)。妻は依然熱が下がらないので、明日も回復しない可能性が高い、なので翌日の退院には僕と僕の母が行く事にしました。
 そして今日。朝行ってみると、子どもたちはみんな食事中。ドレミはなんか女王様のようなデカイ態度でご飯をたべています。看護士さんすみません、ほんとはいい子なんです。ちょっとそういうところもありますけど(苦笑)。食事が終り、主治医の説明を聞き、予後の受診日を確認して病院を出ました。部屋を出る時居合わせた同室の子どもさんのお母さんから「退院ですか、いいなあ、うらやましいです」と声をかけられました。大部屋なのでそんな深刻な病気の子はいないはずですが、それでも足かけ4日のうちは早い方なのかも知れません。
 帰宅してからはもうドレミはいつもの調子ですが、しばらく離れていたのが原因か、今まで以上にママに執着し、ママがちょっとでも離れるときょろきょろしていました。でもまあ、機嫌はよかったですね。なによりもドレミの帰宅で家の雰囲気ががらりと変わったのは、予想通りですがおもしろかったです。そして今、さっきまで寝室から聞こえていたドレミの声も聞こえなくなりました。妻は熱は上がったり下がったりですが、ドレミがいるせいか昨日よりも声に張りがあり、笑顔が増えました(今はドレミと一緒に寝ています)。
 もちろん楽しい経験ではありませんでした。家族全員(義母まで)疲れましたし、仕事も含めていろいろ不都合が生じています。それでも僕にとってはある意味で「いい経験」ではありました。こういうときにどう行動するのがいいのかということがわかった以上に、自分がどんなふうに「支えられているのか」を知ることもできました。いい経験といってはいけないのかもしれませんが、ドレミも大事なかったことに免じてお許しください。実はこれから、予後の受診もしなければならなくて、保育園復帰もそれまでお預けです(今週の後半には行けるんじゃないかな)。それでも大きな山は越えられました。お見舞いのコメントをくれたみなさま、ブログを読んでくれたみなさまのおかげです。ありがとうございました。
 そして今日(6月18日)、ドレミは11ヶ月になりました。あと1ヶ月で満1歳です。もうひとつ、今日はポール・マッカートニーの「64歳」の誕生日でもあります。ここしばらくいろいろあったわが家ですが、いいことも必ずやってきます。実はさっき、ドレミを抱っこしながら「When I'm Sixty-four」を聴きました。ドレミは神妙な顔をしてスピーカの方をじっと見ていました。きっとドレミが大人になったあとも(そしてそのあとも)、この曲は聴かれ続けるに違いありません。その時にはドレミに話してあげましょう。「お前は1歳になる直前で憶えていないだろうけど、ポールが64歳になった夜に一緒に聴いたんだよ」と。
 ポールおめでとう。ついにやって来た「64歳の誕生日」はどう過ごしていますか?どうかいい誕生日でありますように。そして今病院にいる子どもたちがみんな、今日のドレミのような日を迎えられますように。
 ※写真は昨日撮影したもので、抱いているのは妻です。