清志郎さんにお見舞い申し上げます

 忌野清志郎さんの喉頭ガンのニュース、ショックです。ファンとしてはガンというだけでも心配だし、部位のことも不安ですが、ご自身のコメントはいつもの清志郎さんらしいユーモアと意志の強さを感じさせるもので、こちらが励まされているようです。「新しいブルースを歌う」なんて言葉、中途半端な人間には言えないセリフです。技術や売り上げではなく、こういう言葉を発することができる偉人がでてきたという事実が、この国のポピュラー・ミュージックの成熟を語っていると思います。ご病気は辛い事ですし、これからの活動など余談を許しませんが、どうかゆっくり静養して、完全に病気を治してまた元気な姿を見せて欲しいと思います。
 今日の本題はこれだけなんですが、最後にひとつ、僕が実際に観た(聴いた)清志郎さんにまつわるエピソードを。
 1991年だったと記憶していますが、レニー・クラヴィッツが初めての単独公演を行いました。その時、会場の渋谷公会堂で開演を待っていた時、突然客電が消え、すわコンサート開始か!と騒ぎ出した中、暗やみからなんと、清志郎さんの声が響いたんです。「さあ、いよいよ待ちに待ったレニーのコンサートが始まるよー!」という感じで、オープニングのアナウンスを彼がしたんです。もちろんお客さんはビックリ&大喜び。もしかしてコンサートで共演?という期待は結局かないませんでしたが、予想もしないところで清志郎さんに会えて、みんな喜んでいました。清志郎さんは、どんなときどんな場所でも、登場するだけでそこの空気をポジティブに沸き立たせることができるんだと思ったものです。

冬の十字架

冬の十字架