ザ・フー、新曲リリース!

 出ました。遂に。ザ・フーのニューシングル。
 まさかこう突然出ると思わなかったんでビックリです。ちょっと前に「出るよ」という告知を某輸入盤屋で見かけた時も、「うーん、どうせまた延期になってうやむやんんじゃないの?」と半信半疑でした。なにしろこのシングルのもとになるニューアルバム、噂にのぼってからもう3年以上になるのにまだ完成のニュースが流れてこなかったんですから。しばらく前には雑誌のトピックスという形でピートの「ロジャーが満足しないんでできがらない」みたいな発言もありましたから、こりゃもうだめかなあ?と思っていたんです。それがついに出ました!というか現物はまだ観ていないんですが、早くもiTunes Music Storeには出ていましたので早速購入。CDはそのうち出回るのを待つつもりで音だけ先に。
 iTMSで購入できたのは、トラックとしては2曲ですが、そのうちの1曲目はメドレーになっていて(正確にいうと、曲の一部分をつないでいった感じ)実際にはカップリング曲を合わせて6曲聴けます(完奏しているのはトラック2の「Mirror Door」のみ)。ジャケットを見ると「WIRE&GLASS Six Songs From A Mini Opera」(実際はすべて大文字表記)と表記されています。どうもこれは、一つのストーリーを持った作品をダイジェストにしているようです。
 まだ歌詞が聞き取れていないので作品がどういうものがわからないのですが、音だけ聴く限り、とても力強い曲ばかりで、これは全体でも期待できそうです。カップリングの「MIrror Door」は最初と最後にコンサート会場の歓声がかぶっていて、ロジャーのボーカルにも後半ホール仕様のエコーがかかり、曲の構成もちょっと「Punk And The Godfather」のようです。サビでは「誰が鏡のドアをくぐるんだ?」と唄っていて、そちらは「Tommy」を思わせますね。
 気になるのは「A Mini Opera」という言葉。ピートはあの「Tommy」から1993年の「Psychoderelict」まで、いくつかのストーリー仕立ての作品を作っていますが、今回は最もセールスの低かった「Psychoderelict」以来の作品になります(ロックオペラという意味でも、ピートが取り組んだスタジオ作品という意味でも。正確にはそのあとネット通販のみのリリースで「Lifehouse Chronicles」がありますが)。これはどんなものなんでしょうか。フーにはあの未完に終わった「Lifehouse」というオペラ作品がありますが、「Psychoderelict」はその「Lifehouse」との設定上の類似点もあった作品です。
 もしかするとピートは、世間が冷たく扱った「Psychoderelict」のリベンジ、(そしてもしかしたら、あの「Lifehouse」の発展版)を目指しているのかもしれません。21世紀初というか、アルバムとしては24年ぶりになる復活作で、いよいよあの宿願の「バーチャル・リアリティとハイテク独裁体制にロックが勝利する」作品を正式に世の問うのでしょうか。
 シングルが出たということは、まさかアルバムお蔵入りなんてことはもうないでしょう。今回の2トラック(約6曲)は露払いとしては期待以上でした。全貌が明らかになるまで楽しみに待っていようと思います。

Wire & Glass

Wire & Glass