夏に聴く名曲(独特ですが)

 なんだか更新の間が空いてしまいました。なんだか気持ちに余裕がなくて、日記が書けない1週間でした。まあ、相変わらずの仕事上のあれこれなんですけどね。例えばものすごく難しい仕事だったら却って大丈夫なんですが、人間関係コミだったりするもので、気を使います。ふう。
 それはともかく、暑いですね。台風の時も特に涼しいなんてことはなく、昨日なんて夜東の空を見たら「赤い月」が出ていました。僕はあれを見ると「ああ、夏なんだ」と実感して、気だるさや蒸し暑さが倍増したような気分になるんです。でもあの赤さには、なにか惹かれるものがありますね。なにか「向こうの世界」に通じるような魅力が。妻にこういう話をすると、気味悪がられるんで最近は黙っていますが(笑)、僕にはそういう「怪しい」ものに惹かれる性向があるようです。日野日出志とか丸尾 末広が好きでした。佐伯俊男の画集も持っています。妻に見せるとものすごく引きそうなんで見せていません。僕の死後、遺品を整理していて偶然発見し、、、、キャー!てなことになるのかなあ(苦笑)。ちなみに上記の3人の作品は、ただ気持ち悪い・残酷だ・グロテスクだ、というものではなく、きちんとした芸術だと思っています。でも、あんまり理解者いないんですけど(涙)。
 以前に書いたかも知れませんが、僕は暑さが我慢の限度を越えると、無性にプログレを聴きたくなるんです。なんでまた暑いときにそんなものを??と自分でも思いますが、止められまへん。ともかく、長くて重いものだったらオッケーという感じで、フロイドだの、クリムゾンだの聴いています。ともかく、まず「長さ」が重要で、だから例えばクリムゾンだと(いつもは愛聴している)「土曜日の本」や「レッド」ではなく「組曲リザード」や「Earthboud」の後半などに向かってしまいます。あと、フロイドだと「Atom Heart Mother」ですね。これは1枚のアルバムぶっ通しという聴き方もしますが、第一にくるのはあの組曲です。僕は多分、この曲を毎年、夏に10回以上聴いているんじゃないかな?というくらい手が伸びます(というか、iPodダイアル回してます)。マクドナルド&ジャイルスの「Birdman」も主に夏に聴きます。このアルバム、見開きジャケットの内側に、くすんだオレンジ色を基調としたイラストがあって、それがなんだか、夏の夕方の、ちっとも涼しくならず蒸し暑い感じを連想させるんです。僕だけかな?
 そして、夏に聴くプログレとして、原子心母に匹敵するほどのものがもうひとつ、それがマイク・オールドフィールドの「Tubular Bells」です。この曲の説明は不要ですね。なにしろ17歳になる僕の姪まで知っていました、「エクソシストのテーマ」だって(笑)。ああ、そういう認識なんだな世の中は。実際に映画で流れるのは冒頭部分だけだったと記憶していますが、あの曲は一番有名な冒頭部分がちょっと気持ち悪い感じですが(僕は美しいと思います)、実はあのフレーズが終わってからが素晴らしいんです。わざとらしい演出やハッタリはなく、寄せては返す波のように主題が移っていき、次第に盛り上がっていく様は驚くほど自然で、クライマックスの感動は言いようがありません。ほとんど1人で演奏したという楽器のアンサンブルも独特で、飽きる事がありません。僕はコアなファンには評価の低い「Platinum」以降の作品も大好きでよく聴きますが、やっぱりこのデビュー作は格別です。マイクの作品中で格別という以上に、20世紀のポピュラー音楽の中で別格的な存在だなあと思います。
 ところでこの名曲、よく聴くといっても部屋で流すのではなくiPodで1人聴いているんです。なぜか?それはですね、これを流していると妻が止めるからなんです(涙)。「怖いじゃないの!?止めてよ!」と言って、ストップさせてしまいます。「いや、冒頭はちょっと怖いけど、このまま聴いているとね、すごくいいんだよ。感動的なんだから、、」と言っても聞いてくれません。そんなわけでこの曲、もう何年も、家族が一緒の時はスピーカーから流せていません。悲しいなあ。今度妻がいない時にドレミちゃんに聴かせてみよう。けっこう受け入れてくれるかな?でもドレミは今、童謡以外では初期のビートルズとパンクが好みだからなあ。「バブバブ(引っ込め!オールドウェーブ)!」とかいって泣かれちゃったらどうしよう。パパも泣いちゃうよ(笑)。

Tubular Bells

Tubular Bells