ベスト・オブ・クリムゾン shiropエディション(怒んないでね)

 キング・クリムゾンのベストを作るときに困るのは「1枚のアルバムに何曲も名曲がある」というところです。「宮殿」のように、全曲が名曲で、しかも収録順で聴くのが最も感動的という作品など、それだけでもうアナログ1枚分くらいを占めてしまいます。「太陽と戦慄」などもそんな感じです。そのあたりで迷いだすと、もうどうにも選択ができなくなってしまい、結局お手上げになってしまいます。
 今回のベスト作成で一番悩んだのもその点です。特に僕は「宮殿」「太陽」はものすごく好きで、本当をいうと1曲もはずせません。「赤」ももちろん。でもそうやっていくと際限なく収録曲が増えていってしまいます。じゃあどうするか?
 ここで僕の頭に一つのルールが浮かびました。「曲数制限」。
 1枚のアルバムから選べる曲数に上限を設けるんです。そうやっていけば全体の曲数を押さえつつすべてのアルバムから選曲できます。収録できなくて悔しい思いをする反面、とにかく網羅性は確保できるでしょう。これを根本ルールとしつつ、フォーマットは「CD2枚組」とし、そして曲順も原則的にリリース順ということにしました。位置づけは「初心者に親切なオールタイム・ベスト」。これならいけそうです。
 というわけで、作ったのが以下のものです。一応1枚のアルバムから選曲できるのは最高で2曲までとしました。
 まずはDisc1
 1 21st Century Schizoid Man 2 In The Wake Of Poseidon 3 Cat Food 4 Lizard 5 Island 6 Sailor's Tale(これはライヴ「Earthbound」から)7 Book Of Saturday 8 Lark's Tongues In Aspic Part Two
 惜しくも選曲から漏れたものの中には「ポセイドン」収録の「Devil's Triangle」や「Island」の「Formentera Lady」、「太陽」に収録されていてここにないすべての曲(笑)などです。もちろん「宮殿」のその他の曲も。「Lizard」は意地になってB面の組曲まるごとです。そうするとジョン・アンダーソンのボーカルも聴けてお得ですよね。
 次はDasc2
 1 The Great Deceiver 2 The Night Watch 3 Red 4 Fallen Angel 5 Asbury Park(ライヴアルバム「USA」から)6 Elephant Talk 7 Neal And Jack And Me 8 Lark's Tongues In Aspic Part Three 9 Vrooom 10 One Time(ライヴ「B'boom」から) 11 Level Five 12 The Court Of The Crimson King
 ラストの「宮殿」はオリジナルバージョンです。「Fracture」も「Starless」も「Frame By Frame」も残念ながら落選しました。本当はライヴコンピ「Epitaph」や「The Great Deceiver」からも何か入れたかったんですが、収録時間の関係でここまででした。
 いかがでしょうか?選曲してみてわかったんですが、確かにものすごく難しかったです。これを入れるとあれがこぼれてしまう。こっちを入れるとあっちとバランスが崩れてしまう、、。そういうものがとても多かったです。つきものの悩みだと言えば言えますが、こりゃフリップ老師も悩むだろうなあ。結果的になんだかやり残し感が残った今回の作業ですが、これはこれでなんとか聴けるものになったんじゃないかと、、、、うーん、あんまり自信ないなあ。でも、iPod時代に入って「聴きたい曲が全部入っていて当たり前」になったためにしばらくやっていなかった「選曲の悩みと楽しみ」は味あわせていただきました。ふう。それにしてもこのグループ、名曲名演が多いですね。

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)

クリムゾン・キングの宮殿 (ファイナル・ヴァージョン)(紙ジャケット仕様)