清志郎さんおめでとうございます

 忌野清志郎さんが退院し、順調に回復されているというニュースがあちこちから聞こえてきました。よかった。本当によかった。病名も部位も、心配し始めたらきりがないところで、僕も以前お見舞いのような日記を書きましたが(こちらをクリックしてください)、やっと待ちに待った知らせがやってきました。もちろんまだ完全復活ではないようですが、それはさておき、いい知らせには違いありません。
 あの悪い知らせの直後にアルバム「夢助」が出ました。僕もちょっと遅れてではありますが買いました。でも、なんだか日記に書くことができませんでした。内容の善し悪しが理由ではありません。もちろんこれは大傑作です。こんなに素直に音楽を楽しんでいる清志郎さんは久しぶりのような気がします。でも書けなかった。内容が素晴らしければ素晴らしいほど、、ねえ。ほら、名作を出して、そのあと、、、なんて縁起でもない話ってあるじゃないですか。今だから書けますが、「ひょっとしてひょっとして、、、」という気持ちになってしまい、書くことが出来なかったんです。「ダイアモンドが呼んでいる/俺の心を呼んでいる/Baby 俺を行かせておくれ/夢に解き放っておくれ/Oh Baby 白いボールが青空に吸い込まれていくように」なんて詩を読むにつけ、「まさか清志郎は病気のことを知っていて、この傑作を作ったんじゃないだろうな?」なんて、、、。深読みしすぎですね。今となってはおかしいですが、そんなふうに考えていました(上に引用した詩だって、後半は「決してあきらめはしない/これは素晴らしいゲームさ」と歌っていたというのに)。
 そんな僕個人の思い込みはさておき、これは本当に傑作です。スティーブ・クロッパーのプロデュース、ナッシュビル録音も、すべてがぴったりハマっています(それにしてもこの演奏、楽器の音のひとつひとつの説得力といったら!)。清志郎さんのボーカルも実にのびのびしています。ご本人は「故きを温ね新しきを知る/(中略)古いギターはいい音がするのさ/新しいギターほど派手な感じじゃないけど」なんておじさんぶっていますが、声の張りと伸びがまったく詩を裏切っていて(笑)派手で若々しいです。チャボさんとの共作、RC のファンは涙なくして聴けない「激しい雨」ももちろん、「誇り高く生きよう」「オーティスが教えてくれた」など、1曲残らず名曲です。今回は特に詩がどれも素晴らしい。どの詩も実に真っ正面から心に響いてきます。ね、僕が「もしかして、、」なんて深読みしたのも無理のない傑作でしょ(笑)。あー、やっと気持ちよく書けましたよ。本当にうれしいです。
 あの素晴らしい歌声を聴くには、まだもう少しかかるでしょう。でももう今は、ゆっくり休んで、思いっきり生きることを楽しんでいてもらいたいですね。そう、「夢助」を聴いて僕たちが楽しんでいるくらい。清志郎さんどうぞどうぞ、お大事にお過ごしください。
 追記
 この日記は数日前に書き出したんですが、KENNYさんも同じ日にこのアルバムを取り上げていらっしゃってびっくり(こちらのブログです)!やっぱりファンはみんないい知らせを待っていたんですね。

夢助

夢助