主役は演奏者じゃなくてアノ楽器(でも大満足)

 今日1冊のムックを買いました。シンコー・ミュージックの「天才ギタリスト ブライアン・メイ」というムック。タイトルどおりの、ブライアン特集本です。最新のものを含む数本のインタヴュー、歴代来日公演のレポート(もちろんクィーンも含みます。1979年の武道館公演は、僕が生まれて初めて行ったロックのコンサートでした)、巻末には演奏法の解説や楽譜まで掲載されていてけっこうお得感の強い本ですが、僕がこの本を買った最大の動機はそこではありません。
 ふつうギタリストというと、トレードマークのギターがあるとはいっても、レコーディングや年代の違いによって複数の機種を使うのが常なので、こういう本は「○○時代にはこのギターをこういうふうに使用していた」という年表的な記述が可能なんですが、ブライアンの場合は、ご存知「レッド・スペシャル」を、ほとんど唯一のものとして30年以上活動しているので(厳密にはその他のギターも使用していますが)、楽器に関するところ(この本のメインです)は、その1本のハンドメイドギター(とその周辺機材)だけを取り上げているのです。来日公演のたびに撮影されたという写真は、年代ごとに追う事で経年による変化までわかります。このギターは、今まで何種類かのコピーモデルがあるんですが、それについてもかなりのスペースで紹介されていて(日本の代表的なレプリカモデルK’s Guitarも見開き掲載で、制作の写真まで出ていました)、結果的にこの本はブライアン以上に「レッド・スペシャル」にスポットを当てたものになっていました。
 僕がこの本を買った動機はここです。あの魅力的な、世界にただ1本のギターを、まるまる1冊、いろいろな角度から楽しめて、しかもインタビューという形でブライアン本人にも語ってもらえて、ついでにクィーンの写真も見られるという(笑)、ブライアンのファンの気持ちに120%応えたような本でした。実は僕は、ブライアンのレプリカギターを1本だけ所有している(あんまり高くなかった、バーンズ社製のものですが)ので、その意味でもうれしい1冊です。ちなみにブライアンのインタビューは、どの時期のものもいつも前向きで、彼らしい、自分たちの音楽やファンへの愛着愛情を強く感じさせるものでした。僕は(意外かも知れませんが)、あんまり楽器中心に語られた音楽本は読まないのですが、これは楽しく読めました。「ブライアン・サウンドを作り上げる3要素は機材・奏法・愛情なり」という文章には、ファンはきっと大きくうなずくことでしょう。
 明日からゴールデン・ウィーク。うちは明日から妻の実家に行く以外は、特に外出の予定もなく、ささやかに過ごすつもりですが、この本を読みながらクィーンを聴いて、楽しみたいと思います。それではみなさま、よい休日を。おやすみなさい。