お盆の帰省と、都会的で心地よいコーラス

 金曜日から昨日の日曜日まで、いわゆる「お盆の帰省」をしておりました。とはいっても僕の両親とは同居しているので、県内の妻の実家に行くという、いつものお出かけですが。今回は義弟の家族とも合流し(ドレミは従姉のおねえちゃん(小学生)につきまとって大喜びでした)、あちらに住んでいる友人夫婦にも会いにいくという、けっこう盛りだくさんな予定を立てていたので、3日間まったく退屈もせず惰眠もむさぼらず(笑)、あっという間に時間が過ぎました。義弟のところにも、会いにいった友人にも子どもがいて、まあどちらも賑やかな事こと。僕たち夫婦は「大人だけ」生活が長かったので、こういうふうな「子どもがたくさんでワイワイ」というのには慣れていなかったんですが、いざそこに身を投じると、それまで知らなかった楽しみを知ることができました。正直身体は大変ですが(笑)。
 妻の実家にいるときは、基本的に自分の音楽の趣味は引っ込めています、というか、そもそも音楽を流す環境にないんですが。ただ、ふとしたときに1人になる瞬間があり、そうしたときはちょこっとiPodで好きな音楽を聴きます。不思議なもので、こうしたときは定番的なものではなく、いつもの好みとはちょっと違うものに手が伸びます。
 今回は主にドゥーワップを聴きました。僕はそっちの方面は疎いので、ずっと以前に買ったボックスセットをまとめてiPodに詰め込んでいるのを順番に聴きます。有名な曲やグループもありますが、ほとんどが僕には未知のアーチスト、タイトルです。でも、これが良いんですよね。録音やコーラスは実に素朴だし、わずかに聞き取れる歌詞もいわゆる「トーチ・ソング」的なもの以上ではないんですが、聴いていると楽しくなってきます。アップテンポの曲もいいし、バラードではぐっと切ないムードになります。例えば南部のディープなブルースとは明らかに違う、ある意味で洗練された感覚。ブレッド・ミラノの名著「ビニール・ジャンキーズ」の中で、確かピーター・ウルフが「十代のころニューヨークの街角で、ドゥーワップのシングルの路上トレード会があった。仲間にはジョニ・ミッチェルポール・サイモンがいた」というようなことを話していましたが(タイムマシンに乗って、現場を見てみたいもんですね)、そういう都会的なテイストが、ドゥーワップには感じられます。いえ、本当はどうなのかちゃんと知らないんですけどね。そういえばビリー・ジョエルの名作「Innocent Man」というのもありましたね。やっぱり(僕の中では)ドゥーワップは「都会の音楽」です。
 実は今も、部屋にはそのボックスが低いボリュームで流れています。今はアップテンポの曲が続いていて、それがかえって夜の部屋には心地よく響きます。こういう音楽は、不思議に僕の妻や両親などにも受け入れられます。なぜなのかずっとわからなかったんですが、もしかしたら、都会的な雰囲気が、ブルースやロックよりも親しみやすいのかもしれません。
 そうか、こっちからドレミを洗脳しようかな?でも、洗脳するほど知らないしな僕(笑)。

Doo Wop Box

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