今日は予告編です

 先日のグアム旅行の復路、飛行機の放送番組のひとつに「ロンドンゆかりの曲特集」というものがありました。JALの機内誌でリリー・フランキー氏がロンドンを巡るという特集があって、それとのタイアップ番組だったようで、五十嵐正氏の監修と選曲による、ロック系を中心の構成でした。クラッシュの「London Calling」で始まり、ポーグスの「Rainy Night In Soho」ザ・フーの「The Kids Are Alright」サンディ・ディニーの「Listen Listen」など、観光旅行の帰りに聴けるなんて思いもしなかったものが選ばれていて最高でした。ちょうど成田に着陸する時はストーンズの「Paint It Black」で、疲れていたのに気分は高まってしまいましたよ休暇の終わりだっていうのに(笑)。
 その番組は曲の他にナレーションも入り、ロンドンの音楽風景を語るんですが、これがまたけっこうマニアック。カーナビーストリートのことや、ソーホーのこと、スィンギング・ロンドンやらフーがマーキーでレギュラーになったことやら、こちらもまさに「まさかこんな場所で聴けるなんて?」というもの。観光地経路の機内放送とは思えない「正確さ」と「初心者にもやさしい展開」で嬉しかったです。旅行中もiPodは持って行って、寝る前などにはちょこっと聴いていましたが、普段のようには聴けませんでしたから、思いがけないプレゼントのようでしたね。聴きながら、深く深く深呼吸してしまいました。故郷の空気を吸うように(笑)。回りの人たちはぜったい「こいつ、いい歳して飛行機こわいのか?」と思ったに違いありません(笑)。
 番組のナレーションで「60年代の前半には、ロンドンにはたくさんのフォークハウスがあり、渡英したボブ・ディランポール・サイモンもそういう場所で演奏していた」ということが出て来ました。ディランで渡英というと反射的に映画「Don’t Look Back」を思い出しますが、ポール・サイモンでイギリスというと、僕がまず最初に思い出すのは、サイモン&ガーファンクルが1964年の「水曜の朝、午前5時」を出した後、一時的にコンビを解消していたころにポールが単身イギリスに渡っていたということです。そのころに当地で録音された「Paul Simon Song Book」は、そのときに彼が録音した「ファースト・ソロ」アルバム。特異な運命をたどり、長く幻の作品でしたが、3年ほど前に復刻され、最近日本盤が紙ジャケで出たそうです。僕にとってはアナログ購入以来25年以上の愛聴盤です。次回はこのアルバムを取り上げたいと思います。というわけで、シーユーネクストタイム(笑)!

堕ちた天使

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