ポールのDVD「アンソロジー1970-2005」を観る

 金曜日に僕は、あるミーティングに参加しました。これは仕事がらみなんですが、それなりに準備をしてコンディションを整えていかなければならないもので、終わるまでは緊張していました(これがあったので先週親不知を抜くのを先延ばしにしたんです)。
 で、それが無事(?)終わり、チャイムが鳴ったら僕は速攻でCD屋にダッシュ!そう、待ちに待ったポール・マッカートニーのDVD「アンソロジー1970-2005」を買うためです。発売はちょっと前でしたが、上記のミーティングが終わるまでは我慢していたんです。やっと解禁です。
 3枚組、2枚には今までのビデオクリップがこれでもかと詰め込まれ、3枚目にはあの「Rock Show」からの抜粋を含むライヴ映像の盛り合わせ。まさにお蔵出し状態のDVDセット。すでに世間的にも大評判、僕のブログ仲間のみなさんも、購入順に大絶賛のレビューがアップされ、期待もふくらみます。というわけで、昨日帰宅してから、基本的にずっと(妻と娘が観る番組があるとき以外は)流し続けています。
 素晴らしい。この一言です。基本的には既存の作品を並べたモノなんですが、いくつかは本当に観たこともないものであり、観たことがあるものも、画質音質共に向上しています。タイトルどおり一番古いものはソロデビュー期までさかのぼり、ウィングスのヒット曲もたくさん収録されています。僕はウィングスのPVはほとんど観たことがなかったので楽しくて感動的でした。「Silly Love Songs」ではあのアメリカツアーの模様も出てきます。今からちょうど30年前、当時放送していたテレビ番組「ぎんざNOW」での洋楽紹介コーナーでこのツアーの映像を見た記憶があります。僕は当時シングルとして出ていた「Maybe I’m Amazed」(当時の邦題は確か「ハートのささやき」)だと思っていましたが、もしかしたらこれだったかも知れません。それにしてもすごいボリューム。「Mamunia」「Heart Of The Country」あたりは、PVを作っていたこと自体知りませんでした。とにかくたくさん入っているので、観ているだけで時間が経ち、ひとつひとつの詳細な理解はずっと先になりそうですが、こうして観ているだけで幸せになれる素晴らしいセットです。とりあえず僕は、個々の作品の作り込みのすさまじさに驚き、また、リンダの元気な姿にも感動してしまいました。
 ところで僕は、このアンソロジーを観ていて改めて「Beautiful Night」や「Littele Willow」の良さに気づきました。この頃のポールの作品にはあまり大きな思い入れはなかったんですが、認識を新たにしました。ちゃんと聴かなきゃいけないですね。反省しました。
 それから、後日きちんと書こうと思っていますが、今回のDVDで僕は「Rock Show」の収録に一番感動しました。7曲だけというのがなんとも口惜しいですが、絶版になって久しいので、これだけでもとりあえず嬉しいです。日本はビートルズも、ソロになってからのポールも体験できましたが、70年代のポール(ウィングス)だけは観る機会がありませんでした(1回は来ました。けどね)。僕は常々、ウィングスのただ1回のアメリカツアーは、ポールなりの(自分を批判し続けたロックファンやジャーナリストたちに対する)「復讐」だったと思っていますが、それだけにこのときに残された音や映像は、どれも目を見張るような輝きに満ちていると思います。今回の3枚組、どこを切ってもポールの魅力満載で、ファンは絶対に観るべきものですが、僕にとって最高のプレゼントはここでした。願わくば完全版「Rock Show」が観られる日が来ますように。その日が来るまで、このセットを繰り返し観ることになりそうです。

追記:ところで、僕が過去に観たことがあるもので「Only Love Remains」や、ソロバージョンの「Ebony And Ivoryが収録されていませんでした。残念だなあ。特に「Only Love Remains」は凝ったカメラアングルの名作なので、ぜひ観たかったです。いや待てよ、ということは第2弾があるのかな?「Rock Show」完全バージョンとか「James Paul McCatney」とかカンボジア難民救済コンサートとかを集めたものが。う、そう考えだしたらたまらなくなって来ましたよ。ポールさん、関係者のみなさま、第2弾ぜひお願いします!待ってます!