なぜか知名度が低いビートルズのクリスマスソング

 なんだか仕事関係でバタバタしていて、気がついたら数日ブログの更新を怠っていました。今日ももう眠いです。最近は本当に早い時間に眠くなってしまいます。
 気がついたらすっかりクリスマスの季節ですね。最寄りの駅の周りも、帰宅するときに見ると街路樹にイルミネーションが輝いています。うちの近所も何軒かイルミネーションを飾っているところがあるので、のんびり眺めながら帰っています。なんだかんだいって、クリスマスの雰囲気は好きなんですよ。あんまりバブリーなお楽しみをした記憶もないんですが、この時期の楽しげなムードと、クリスマスソングはけっこう好きです。
 で、クリスマスソング。僕のうちにはいろんな種類のクリスマスソングのレコードがあって、それこそジョンやポール、リンゴのアルバムから、ビーチ・ボーイズフィル・スペクタージャクソン5山下達郎、JBその他、グレゴリオ聖歌やバッハの受難曲(これはクリスマスじゃないか?)、ジャズとかスタンダードとか、1シーズンで全部聴かないんじゃないかと思うくらいあります。昨年まではロック、ポップス系のものをよく聴きましたが、今年はビング・クロスビーあたりをよく部屋に流しています。定番ですが、やっぱりいいものです。
 ところで、ビートルズ関連ののクリスマスソングというと、真っ先にジョンとヨーコの「Happy Xmas」が浮かび、次にポールの「Wonderful Christmas Time」が思い出されます。ジョージのものもあるし、リンゴはアルバムも出しているということで、この季節にも大活躍してくれますが、なぜか1曲、あんまり話題にならないものがあります。それが、本家ビートルズの「Christmas Time(Is Here Again)」。
 もともと1967年発行のオフィシャルファンクラブ向けのクリスマスレコードに収録されていたもので、録音も同年。1967年といえばビートルズにとっては大変な大激動の時期でもあり、音楽的にもとても充実していた時期ですが、この曲も67年録音に相応しいものになっています。さほど展開のあるものではなく、同じヴァースを繰り返す感じですが、演奏もちゃんとしていて、魅力的な曲だと思います。ずっと前、ビートルズが出していたクリスマスレコードを1枚のLPにまとめたものを入手したとき、英語がわからないながら4人の声を聴いて楽しんでいたときこの曲が始まったときは「こんな曲をこっそり出していたのか!?」と驚きました。素材を少し工夫しただけというシンプルさですが、かえって曲の良さがわかります。まさにこの頃のビートルズがいかに高いところにいたかがわかる曲です。
 この曲、作者のクレジットはメンバー4人全員になっています。が、僕は密かに「これはジョージが創った」と思っています。よく聴くとこの曲、「Magical Mystery Tour」の「Flying」にコード進行が似ています(キーは違いますが)。「Flying」も4人の作になっていますが、ジョージらしいセンスの曲で、中心になったのはジョージだと考えられます。とすると、それによく似た「Christmas Time(Is Here Again)」もジョージのアイデアが元になっているのではないかと考えているんです。そのせいというとナ二ですが、公式発売ではなくファンクラブ向けレコードでの発表というところも、ジョージ作品の扱いっぽい気がします(同時期の「Only A Northern Song」や「It’s All Too Much」なども冷遇されました)。でも、扱いはそんなでも、よく聴けばその良さがわかるというところもジョージらしいです。勝手にジョージの曲だと決めつけて書いてますが(笑)。
 この曲、「Free As A Bird」のシングルに収録されて公式に発表されたときはものすごく嬉しくって、「とうとうこの曲にも春が!」と喜んだんですが、そんなに話題にもならず、そのままこのシングル自体が入手しにくくなってしまいました。でも、このまま埋もれさせるには惜しい曲だと思います。お持ちの方は、ぜひまた一度聴いてみてください。クリスマスに相応しいムードで、4人のメンバーも楽しそう、曲の最後にはメンバーのメッセージも入っていますよ(これは編集ですが)。これも街に流れてほしいなあ。クリスマスシーズンには街にビートルズが流れるなんて素敵だと思います。