小ネタ 「のだめ」SP観てモーツァルトミサ曲を聴き直す
1月4日と5日に「のだめカンタービレ」の新春スペシャルが放送されましたね。僕も観ました(妻も一緒に)。面白かったですね。お金がかかったものでしたが、単にお金をかけただけではなく、手間もかけたものでした。連ドラだったときも手間がかかっていましたが、今回は特番ということもあってさらに手が込んでいました。ベッキー、ちゃんとターニャに見えてビックリ(笑)。僕は前編の指揮者コンクール編の方が面白かったですね。後編もよかったですが、ちょっと詰め込みすぎで、原作の流れともちょっと違い、僕には少し違和感がありました。でも全体的にはよかったです。僕はドラマをほとんど見ないので比較は出来ないんですが、原作コミックのリズムやセンスをちゃんと再現できているのはすごいですよね。それにBGMがクラシックだというのも、僕のような人間には楽しいです。
ところで、後編の中盤にちらっとモーツァルトのミサ曲が流れましたね。記憶が確かなら晩年の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」だったと思います(違ってても怒らないでね)。ストーリーの中でもほっとするようなところで使われていて、とてもよかったです。
で、すぐに影響受けるもんで(笑)、CD棚から出してきました。この曲。「教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ」というCD。ローマの聖ペテロ大聖堂で行われたミサの実況録音。カラヤン指揮、ウィーン・フィルとウィーン楽友協会合唱団による「戴冠ミサ」と教皇によるミサの模様が収録され、純粋に音楽を楽しむにはちょっと不向きかも知れませんが、聴いていると(僕は特定の神を信仰しませんが)敬虔な気持ちになってきます。ミサ曲にとっては、このCDが収録されたような場面で演奏されるのが本来の姿ですからね。このアルバムの最後の方で、「アヴェ・ヴェルム・コルプス」(K.618)が唱われます。短い曲ですが、本当に「この世のものとは思えない」美しさです。
この曲の指揮はカラヤンではないですが、合唱はカラヤンの「生涯のパートナー」ウィーン学友協会合唱団。このミサが行われた1985年、カラヤンはベルリンフィルと軋轢が生じていて、辛い晩年といっていい時期でした(亡くなるのはこの4年後)。「アヴェ・ヴェルム・コルプス」もモーツァルトにとって晩年の作品です。「のだめ」でも、音楽に悩む主人公が一時気持ちを休める場面で流れていました。このCDに入っている祈りの言葉と美しいミサ曲を聴いていると、音楽による慰めというのは、本当に深いところから生じるに違いないと思います。
教皇ヨハネ・パウロ2世により挙行された荘厳ミサ モーツァルト:ミサ曲ハ長調 K.317
- アーティスト: ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,バトル(キャスリーン),シュミット(トルデリーゼ),ヴィンベルイ(エスタ),フルラネット(フェルッチョ),ウィーン楽友協会合唱団,モーツァルト,カラヤン(ヘルベルト・フォン),ショルツ(ルドルフ)
- 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
- 発売日: 2005/12/14
- メディア: CD
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