ボン・ジョヴィのコンサートに行ってきました

 1月14日、東京ドームにボン・ジョヴィのコンサートを観に行きました。入場前、やはりこの日コンサートを観るringoさんと会場前で落ち合い、そのままringoさんのお友達のボン・ジョヴィファンのみなさんとお会いしました。驚いたことに全員女性、年齢もさまざま(すみません年齢のことなんて話題にして)で、このグループの女性ファンの多さを実感しました。それは会場に入っても同様でした。僕の隣も前も女性ばかりでした。
コンサートは新作「Lost Highway」からの曲と彼らの大ヒット曲がバランスよく配置されたもので、新作の曲では女性プレイヤーがフィドルとコーラスで参加していました。以前書いたように、僕はこのグループに関してはまだまだ初心者で、大ヒットした曲以外にはあまり馴染みがないんですが、その曲もしっかりしたものでした。
 僕はずっと、ボン・ジョヴィというのは「明るいへヴィ・メタル」なんだと思っていたんですが、「One Wild Night」や「Keep The Faith」そして最新作を聞いていて、もっとアメリカンロック本道を歩いているんだと思うようになりました。昨日のコンサートもやっぱりその思いを強くするようなもので、「Livin’ On A Prayer」や「Bad Medichne」などのような「定番」ヒット曲以外の曲の方が、演奏も落ち着いていて聴き応えがありました(ジョンがマイクを持って歌う曲よりも、ギターを弾きながら歌う曲のほうがよかったです)。サービス満点のコンサートで、その意味では実に大衆的ですが、例えばスプリングスティーンのコンサートなどを連想させるような「王道」ぶりを感じもしました。ジョンは高音で張り叫ぶのもかっこよかったですが、低めの声でじっくり歌う姿もよかったです。
 コンサートで直に接して思ったんですが、このグループは実に「わかりやすい」存在でした。「底が浅い」という意味ではありません。例えば何万人ものファンを熱狂させる大衆性や盛り上がるタイプのヒット曲もとても「わかりやすい」し、アメリカンロック本道である「悩みつつも前向き」な、歌い上げる感じの曲も「わかりやすい」。そして彼らの政治的位置も、スプリングスティーンやREMなどよりもずっとストレートにリベラルなもので、実に理解がしやすいものでした。
 「Lost Highway」はナッシュビル録音です。同じような時期にナッシュビルで録音したホワイト・ストライプスの「Icky Thump」が捻りのある作品になったのに対して、「Lost Highway」はいかにも「カントリーとブルースの聖地で自分たちのルーツを見つめました」という直球で、本当にわかりやすいものでした。今回のコンサートでもフィドルが入る曲はそういう「アメリカの土台」を感じる演奏で、変な深読み不要の堂々たるものでした。僕自身は彼らのそういう素直さがいいなあと思いましたし、単なるメタルではない立ち位置もわかりましたが、実際には熱心なファンの方はどうおもってらっしゃるんでしょうね、そのへん興味があります。それにしてもスプリングスティーン的な部分の多いコンサートでした。後半、「Shout」や「Dancing In The Street」が演奏されたところなども、ボス的な感じでしたし。女性プレイヤーがコーラスで絡むところなどもEストリートバンドを思わせる感じでした。そういえば出身地も近かったはず。そのへんのこと、少し調べてみようかな?
 追記:「I’ll Sleep When I’m Dead」という曲と「Wanted Dead Or Alive」という曲がありましたが、この2つ、ウォーレン・ジヴォンにも同じタイトルの曲がありますね。2つも同名の曲があるなんて偶然でしょうか?こっちも興味出てきたなあ。でもウォーレンとなにか繋がりがあるとしたら、僕にとっては大事件です。ボン・ジョヴィに対して認識を新たにしなければ。

Lost Highway

Lost Highway