デイヴ・クラーク・ファイヴ配信開始!

 今日アップルからのメルマガで(僕はマックユーザー)、iTunes Storeデイヴ・クラーク・ファイヴの配信が始まったとのこと。これって大ニュースですよね。60年代組の中でもかなりの知名度と評価をされているにもかかわらず、現在ほとんど曲を聴くことが出来ないという、不思議な存在でしたからね。配信という形でも、全曲ではなくても、効くことが可能になったというのはうれしいことです。
 裏を取った情報ではないんですが、DC5の曲その他の権利はデイヴ・クラーク本人が持っていて、リイシューに関して非常にハードルが高いということを聞いたことがあります。誰か第三者が持っていてそういうことなら話がわかるんですが(フーのファーストはそういう理由で長いことリイシューされませんでしたね)、本人が持っていてそういうことになるのがよくわかりません。本当のことかどうかはともかく、実際にDC5の音源はほとんど市場にない状態で、新しいファンはとてももどかしい思いをしてきました。僕は15年前にEMIから出たベスト盤だけ持っているんですが、これさえ今は廃盤で、2年くらい前に中古盤屋で見かけたときには、けっこうな価格になっていました(僕はこのベスト、なぜかUK盤と国内盤の両方を持っています。いずれDC5の音源が高騰して1000万円を超えたらどちらか売却予定)。
 実際に聴いてみると、60年代らしいナローなロックサウンド、サックスがフィーチャーされているところやオルガンの音色に時代を感じますが、有名な「Because」でもわかるメロディの良さは当然として、意外なほどワイルドな表情をした音楽で、演奏もけっこうヘヴィ、聴いていると盛り上がります。そういえば「Any Way You Want It」はキッスがカヴァーしていたことがありました(「Alive2」のスタジオテイク面に収録されています)。ギターが前面に出ている以外は、オリジナルからさほど遠くないアレンジなのにしっかりキッスらしいハードロックに変身していました。このあたりからもDC5の音楽の素顔がわかりますね(一応注釈しておきますと、最初にキッス版の「Any Way‥」を聴いたときはさすがにDC5の名前は知りませんでした。すっと後になって知ったということです)。
 以前にも配信を話題にしたときに書きましたが、パッケージCDで出すとなると制作コスト、流通コストがかかって採算が取りにくいものであっても、配信という形ならば比較的簡単にリスナーの元に届けることができるのではないかと思っています。DC5でコスト割れはないとは思いますが、それでもこういう方式で、埋もれていた貴重な音楽を気軽に聴けるようになるのは、(いい音楽に変なプレミアがついてしまって「マニア御用達」みたいになってしまうのが不愉快な)音楽ファンとしてはうれしいことです。
 これではずみがついて、オリジナルアルバムもリイシューされたらいいなあと思います。
 

Glad All Over Again

Glad All Over Again

追記:今UK盤のベストを観ていたら、バックカバーのクレジットに「This Compilation 1993 Dave Clark Productions」となっていました。やっぱり権利をデイヴ本人が持っているというのは本当だったか!?で、本人が承諾すればいい再発が、なんで実現しないんでしょうね?ホント、著作権がらみの話はわけわかりません。