前向きな金曜日

 やっと金曜日。
 先週今週は長かった。風邪も腰もあったし、仕事ではずっと壁にぶつかっていて、気分の塞ぐ日が多かったです。
 今日は午後早くに外出して、直帰する予定になっていたので、わずかな時間をどう使おうと朝一番で少し悩んだんですが、そのときふと、頭の中の何かが「ポン!」とはじけました。「どうやっても今日の午前だけで全部処理はできない。あれこれ予定を立ててもすぐに別件が入ってしまう。だったらもういいや。気がついたものからやっちゃえ!どうせ悩んでいるうちに時間切れになって来週に持ち越すんだから、とにかく手をつけちゃえ」
 それからの僕は、久しぶりにすごかった(?)です。しばらくぶりに声が出るようになってきたので(まだガラガラ声ですが)、鳴った電話は片っ端から取り(たぶん今日の午前、所属にかかって来た電話の3分の1は僕が取りました)、懸案だったものはこっちから電話をかけ「こっちはこういうふうに処理したい。年度末だから考えている時間がない。だめならそういう返事をください。オッケーならこれこれの資料を至急送って」という具合に、ボールの投げ返しの連続技。そうやってテンパッて騒いでいると、だんだん気持ちが張ってくるのが自分でもわかります。ここしばらく(本当に長い間)なかったような気分で仕事が出来ました。午後の出張はある業務についての研修だったんですが、一緒に行った若い者が優秀で、彼と話をしているだけでいろいろな問題点が判明し、解決の糸口もわかってくるという感じで、これまた久しぶりに有意義な時間になりました。相変わらず声は枯れてるし咳は止まらないし腰は痛いし、体調はよくないですが、なんだか気持ちの切り替えはできました。来週もこの調子でいきたいな。
 そして今、さっきまで大騒ぎしていたコピもドレミもみんな眠ってしまい(妻も)、僕は部屋で1人、ビートルズを聴きながらこれを書いています。さっきまで「Abbey Road」のB面を聴き、今は「Let It Be」(Nakedじゃない方ね)。今は「I’ve Got A Feeling」です。昨日までの僕だと「Let It Be」あたりで立ち止まったと思いますが、今日は違う(笑)!ルーフトップでぐいぐい行きます(笑)。そういえばこのアルバムを作っているときのビートルズは、チームワークという意味ではがたがたで、あれこれ悲しい逸話が多い時期ですが、でもあの屋上では、そんなことまったく感じさせない「最高の4人」が演奏していましたね。ポールはジョンの曲でシャウトし、ジョンはポールの曲でリードを弾き、ジョージは音楽全体に黒っぽいエッセンスをちりばめ(その後何度も競演するビリーもいたしね)、リンゴはしっかりバックを支えています。フロントの3人はマイクを分け合い、荒いけれども、ずっと後まで愛される音楽を奏でてくれました。
 きっとあのときも、胸の内にはいろいろな思いがあったんでしょうけれど、それは表に出てきません。今日僕は、そこに感動します。僕たちが心を動かされるのは、ゴシップめいた暴露エピソードではなく、ビルの屋上で、ミスったりやり直ししたりしながら、笑いあって演奏するあの4人の姿です。僕もそうありたい、今夜はそう思います。こんな気持ちで金曜日の夜を迎えるのは久しぶりです。ありがとう、ジョン、ポール、ジョージ、リンゴ
。今度もまたみんなに助けてもらったよ。

Let It Be

Let It Be