突然聴きたくなった「守備範囲外」

 僕は今子育て中を理由として、ふだんは残業なしで過ごしています。特別な場合(緊急時や、シフトで回ってくる夜番)以外は、自分の裁量で上がることが出来ます。なんですが、さすがに年度末のこの時期、そうも言っていられず、今週はずっと残業していました。まあ、一番やったときで10時過ぎですから、大したものではないんですが。やっている時はそれなりに仕事もはかどるのでテンション高いんですが、やっぱり疲れはたまるようで、祝日だった木曜日はほとんど半日寝ていました(咳止めのせいでもあります。しかもこの咳止め、効かないし)。
 今日は土曜日。昨日まで雨模様だった南関東も今日は快晴。今日はお墓参りに行ってきました。両親とコピも一緒に。もうすっかり春の陽気で、桜の知らせももうすぐ、という感じでした。
 残業モードだった先週、疲れたときは帰り道iPodビートルズスティービー・ワンダーをよく聴きました。ビートルズは言うまでもないですが、スティービーの歌声は本当に心に沁みてきました。昔から好きなスティービーですが、ここ数年、以前より感動するようになってきました。
 そしてここ2週間ほど、ものすごく聴きたいと思うグループがありました。ふと気づくと頭の中にそのグループの曲が響いている。ああ聴きたい聴きたい。でも困ったことに、そのグループのCDは(意外にも)1枚も持っていなかったんです。そうなるとよけい聴きたくなる。とうとう我慢できなくなって、アマゾンで買ってしまいました。比較的安めの2枚組ベスト(米盤)を。昨日帰ってきたら届いていて、早速聴きましたよ。そのグループとは、スティクス。
 こんな有名グループなんですが、僕は今回買うまで、本当にCDは1枚も持っていませんでした(アナログだと「Paradise Theatre」だけ持っています。もうずっと聴いていませんが)。持っていなかったということからもおわかりのとおり、個人的に思い入れがなかったんですよ。それが何故か、ここしばらくものすごく気になり、聴きたくなり、どうしようもなくなってしまったというわけ。過去にこういうことも何度かありましたが、ここまで個人的な好みとは関連のないアーチストだったことはなく、自分でも驚いています。事実、こうして聴くことが出来て、そのこと自体には深く満足していますが、じゃあ曲を聴いて感動したのか、スティクスを大好きになったのか、新たな発見はあったのかと問われると、ちょっと困ってしまいます。スティクスは高校時代にものすごい大ファンの子が身近にいて、初期の作品も貸してもらって聴いていたので、その頃の記憶があったんですが、大体のところはそのころの記憶どおりでした。だから「今聴き返すとこんなことがわかりました」ということも言いにくい。当時も今も、僕の守備範囲とはちょっとずれてしまいます(正確にいうと、当時意識していたよりもイエスからの影響が大きいということはわかりましたが)。
 となると謎は、なぜこんなに聴きたくなったかというところですが、そっちの答えも(今のところ)出てきません。あんまり長いこと「聴かないアーチスト」だったので、かえって気になってきたということなんでしょうか?うーん。正直わかりません。仕事のことで煮詰まっているので、嗜好のベクトルが変な方向に向いてしまったのかもしれません。「変な」なんて書いてしまって、スティクスファンのみなさますみません。他意はないんです。今回のベストを聴いても、心を動かされることもなかったかわり、「ひどいなあ」という気持ちにもなりませんでした。後期のもの比べて初期の作品は演奏も曲想も繊細で、そういう部分はいいなと思いました。メロディもちゃんとあり、「おっ」と思うものも多かったです。ただ、「好きなグループ」になったというのともちょっと違う。うーん、書けば書くほど泥沼。どうしよう(笑)?
 ともかく今、そのベストを流しながらこれを書いています。個々の曲がどうこうではなく「スティクスが聴けた」という深い満足感は確かにあります。でも一体、どういう気持ちなんでしょうか?本当に不思議です。不思議なので、もうしばらく聴いていきたいと思います、スティクス。

 

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