シンプソンズ・ファン感謝祭に行ってきました。

 今日は妻と子どもは妻の実家へ、僕は1人中野に行ってきました。「シンプソンズ・ファン感謝祭」に参加するために。
 例の「シンプソンズMOVIE」の吹替にまつわるあれこれは、ご存じの方も多いと思いますが、今日はちょっと前の映画版DVD発売と、その中で実現した「オリジナル吹替版」(つまりフィックス声優さん達による吹き替え)を記念してのイベントでした。協賛という形で映画会社なども参加していますが、催しの運営はその声優さん達と、「ザ・シンプソンズ・ファンクラブ」(後述)が行ったという、手作りのイベントでした。入場は無料、ただし映画版DVD(かブルー・レイ・ディスク)を持参すること、というところがなんとも粋でしょ。約500名ほどのキャパの会場でしたが、満員でした。
 会は基本的に「オリジナル(吹替)バージョンによる映画の上映」と「大平透氏のサイン会」そして「クイズ」「抽選会」などで構成されていました。なんですが、今回すごかったのは、フィックス声優さん達が大勢参加していたことです。冒頭、暗転した会場にいきなり甲高い笑い声。クラスティだ!テレビで観ていたそのまんま、会の始まりを告げるアナウンス。クラスティの留守電に入っていたという設定で、スプリングフィールドの人達のメッセージが流れますが、これ全部、録音でなくて生の演技だったんですよ。僕が座っていたのは会場の前の方やや右だったんですが、舞台下手の端で順番にマイクを持ってセリフを話している声優さん達がわずかに見えました。すごい!のっけから僕は感激してしまいました(またみなさん、上手なんですよ。このあと舞台でのご挨拶のときも、地声から一瞬で演技の声になるところなど、至芸としか言いようがなかったです)。
 舞台が明るくなってからは島田さんと、マージ役の一城みゆ希さんの司会により会が進行しましたが、冒頭でフィックス声優さんたちが舞台に勢揃いし、催しの中心的役割を果たした大平透さんの挨拶がありました。ここが涙が出るような感動の瞬間でした。今回の「あれこれ」は、ファンがネットで異議を表明したのに端を発し、その声をまとめ役の方々が(あくまでボランティアベースで)映画会社などに伝え、その結果としてフィックス声優さんによる吹き替えが実現というものです。そのファンからの声を真剣に受け止めてくださった声優さんの中心となって活動されたのが大平さんだったので、その言葉には重みがありました。今までのいきさつは多くを語らず、ファンのみなさんに感謝したい、今日という日を迎えられて声優全員本当に嬉しいという「大人の言葉」に、言葉の外に置いてきた経緯や、声のお仕事に対する誇りが感じられました。短いスピーチでしたが、会場の全員に伝わるようなものでした。
 その後いよいよ映画の上映。僕は入場券代わりのDVDを持っていましたが、実は観ていませんでした。買ったときにはこの催しがあることを知っていたので、今日まで待っていたんです。予想以上の面白さでした。雑誌やネットでの評価は「今までのシンプソンズの路線を踏襲したもの(予想の範囲内の内容)」というようは褒めてるのかどうか疑わしいものもありましたが、僕は満足です。映画だからといって変に冗長になったり今までと違う設定を作ったりということはなく、ちゃんとあの世界観の中で話のスケールを大きくしていました。ところどころ入る「泣かせる演出」も秀逸。導入部も、エンドロールも楽しめました。なにより嬉しかったのは、会場で一緒に観ているのがみなさんファンの方ばかりなので、笑いのツボが「わかっている」ところですね。まさに会場一体になって楽しめました。
 上映後、休憩を挟んでの第二部は、大平さんのサイン会と「クイズ大会」の同時進行というもの。ステージの真ん中では会場とクイズやプレゼント争奪のじゃんけん大会をやっていて(ついでといっては失礼ですが、Wowwowで番組のプロデューサーだった方のインタビューなどもありました)、上手ではサイン会をやる(スタッフの方の誘導で観客席の僕たちは順番にそこに行くわけです)という感じで、スムーズに進行していましたが、今こうして書いていると、その見た目も含めて、なんだか面白い情景でしたね。クイズ大会は声優さん達が順番に、ご自分がアテているキャラクターについてのカルト問題を出題し、○か×かで答えるもの。僕はあんまりわからなかったんですが、僕の両隣のカップル(の男性の方)はものすごく詳しくて、左隣の方は商品をゲットしていました。いいなあ。僕はクイズのあとにあった抽選会もはずれてしまいました。抽選会の商品はすごかったんですよ。ここでは書きませんが、商品の発表があったときは会場がどよめきました。さすがみんな熱心なファンですね。最後は再びフィックス声優さん達がステージに揃い、大平さんのご挨拶でお開き。会場を出るときはその声優さんが通路に並んで見送ってくれました。最高でした。
 ところで今回の催し、声優さん達と共に会を催した「ザ・シンプソンズ・ファンクラブ」というのは、上記の「あれこれ」が起こったときにファンを代表して問題提議をし、ネットを中心に呼びかけを行って、結果を勝ち取った方々です。今日はボランティアスタッフという形で進行に携わっていたんですが、本当に裏方に徹していました。僕は一言くらい舞台から挨拶をするのかと想像していたのでちょっと意外であったと同時に、「ファンクラブ」の方達の意識の高さに敬服しました。声優さん達の口から何回も「今日はボランティアスタッフさんがいてくれて(会を成立させてくれている)」というような言葉が出ていましたが、僕もそう思います。この場を借りて大平さん始め声優さん達と共に、「ファンクラブ」のみなさんにもお礼を申し上げたいと思います。フィックス声優のみなさま、「ファンクラブ」のみなさま本当にありがとうございました。作る側と観る側が、こんなふうに作品を大切にして、そして一緒に何事かを創り上げる、その場に参加できて嬉しかったです。スプリングフィールド・フォーエバー!明日はミスター・ドーナツとC.C.レモン買ってこよう(笑)。
 

最後に一言「ドゥ!」(笑)。