最近購入したものの印象記です

 3月からずっと続いていた繁忙期ですが、なんとか一番の山は越えたようで、ゴールが見えてきました。最終的には今月末までかかるものですし、これからも細々したハプニングはありそうですが、少し気分は晴れてきました。ふう。残業続きだったのも大変でしたが、先が見えないときは気分が休まることがなく、休日もどこか気持ちの緊張が抜けなかったことも大変でした。実は今もそれはあるんですが、先々週あたりに比べたらずいぶん気分も軽くなってきました。
 で、こういうときのストレス発散で、ちょこちょこCDを買っていました(笑)。今日はまとめて「一言レビュー」。いや、要するにちゃんと聴いている時間がないので印象記しか書けないだけなんですが(笑)。
 フリー「Fire And Water Deluxe Edition」前々回の日記にも書いた、あの名作のデラックス・エディション(以下DE)。DEは今までのリリースもハズレなしですが、今回も満足できるものです。オリジナルアルバム収録曲は2001年リマスタリングと同内容、ボーナス曲もほとんどは既発表のものですが、僕は初めて聴くものばかりでしたので、新鮮でした。特に「All Right Now」の初期バージョンのイントロ部分はビックリ。フリーというとあまり器用にいろいろなスタイルをこなすというイメージがないバンドですが、このイントロでは、「こんなこともしてたんだ?」という感じの驚きがありました。完全未発表はプロモ・フィルム撮影時の「All Right Now」3テイク分(つまり、DEにはこの曲9テイクも収録されているんですよ)。これは演奏そのものよりもブックレットの「彼らは口パクを嫌い、カメラの前で実際に演奏した」という記述に、彼ららしさを感じました。久しぶりに通しで聴いたこのアルバムですが、やっぱりいいですね。誰もが言うことですが、音を詰め込むのではなく、あえて少なくすることで「間」と「空間」を演出するその音楽づくりは素晴らしいものです。
 エイジア「Phoenix」オリジナルメンバーで再結成し、来日公演もあるエイジアのニューアルバム。このメンツでのレコーディングは25年ぶりなんだそうで、ということはあの「Alpha」以来か!?なんだかメンバー入れ替えながら活動していたし、アーカイブものも多数出ていたのであんまり久しぶりという感じもしなかったんですが、考えてみたらすごいことですねいろいろ。で、聴いてみたら‥。全然変わっていませんでした。この25年はなんだったんだろうというような、「あのエイジア」でした。だからあの感じが好きな人にはたまらないものになっています。数年前に観たイエス公演でのスティーヴが「枯れていた」(演奏も容貌も)こと、このアルバム制作中にジョンとカールが心臓の手術をしたことなど、いろいろ憶測材料はありましたが、聴いてみたら思いの外元気でした。「Alpha」はまったく好きではない(メンバー個々の個性を殺してしまい、ただの産業ロックになった感じで)僕ですが、このアルバムはスティーヴも元気に弾いていますし、ジョンのボーカルもちゃんと声が出ているし、カールも相変わらずです(多くは語りませんが)。全体を通して、あの分厚いアレンジと曲想はいかにもエイジアというもので、好き嫌いはここで分かれると思いますが、今回はファーストに近い感じで、フォーマットからはみ出すようなメンバーの主張が感じられて、僕は堅いこと言わないで、わりと気に入っています。ところでジャケットはロジャー・ディーンですが、この鳥は「不死鳥」じゃなくて「始祖鳥」じゃないかな(笑)?
 スティーヴ・レイ・ヴォーン「Greatest Hits」職場の近くにあるデパートのCD屋でやっている「在庫処分ワゴンセール(全品1050円)」で発見したもの。その名のとおり、あの名ギタリストのベストもの。全11曲で「迷信」も収録されていないというものですが、聴くと大満足のアルバムです。1曲目はなんとビートルズの「Taxman」ちょっとテンポを落とし、粘つくようなブルースアレンジをなされたこの曲は、オリジナルと違う味わいで、曲の持っている皮肉な内容にもマッチしています。どの曲でも説得力十分のブルースギターが堪能できますが(80年代にこれほどオーソドックスにブルースを弾けて、かつこれほどコンテンポラリーなポジションで評価された才能は、よく考えたらすごいですよね)、個人的にはジミ・ヘンドリックスのカヴァー「Little Wing」(インスト)に感動しました。僕はこの人の作品をすべて聴いたわけではないんですが、このカヴァーを聴いていると、無性に「全部聴きたい」と思います。それほど胸に来る演奏です。こんな作品がワゴンセールで「メロン記念日」の横に並んでいたなんて!?スティーヴは最近、他のアーチストの作品で客演したものばかり集めたアルバムが出ていましたので、そっちも聴きたくなってしまいましたよ。
 という感じで、相変わらず音楽はすぐそばにあって、聴き続けています。仕事の修羅場が明けたら、ゆっくり聴きこんでいこうと思っています。
 来週は、今までほどではないですが、やっぱりそれなりに忙しい日々になる予定です。でもiPod武装して、がんばりたいと思います。それではみなさん、おやすみなさい。

フェニックス

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