平塚たなばた会場でサックスの音色に酔う

 というわけで、昨日今日は平塚の七夕を見物に行って参りました。実をいうと平塚は妻の実家があるんです。そこで義弟の家族(小学生の姪とドレミより1歳下の甥がいて、ドレミが加わるととてもにぎやか)と合流し、見物へ。ほぼ毎年行っているので見物自体は慣れたものですが、とにかく人出がすごいし蒸し暑いしで、なかなか大変な見物でした。でも子供達も含めてみんな楽しめたようです。
 ところで、会場から妻の実家に戻る途中、飾りも露店も途切れたあたりで、どこからかジャズが流れてきます。艶のあるアルトサックスの音色。最初は「どこかでジャズのCDでも流しているのかな」と思って歩いていましたが、なんとそれは路上ライヴでした。小さなCDプレイヤーでバック演奏を流し、サックスと小さなボンゴの2人。スタンダードなハードバップを気持ちよさそうに演奏しています。ふんふん、路上ライヴだなあと思い、そのまま素通りしたんですが、なんとなく引っかかる。サックスがものすごく上手い!ただテーマ部分を吹くのではなく、ちゃんとアドリブも見事に演奏している。思わず「あのサックス、ものすごく上手いよね!もう1回観に行っていい?」と尋ねると、義妹も「私もそう思ってました。行きましょう!」と同意してくれて、みんなで廻れ右。また演奏を聴きに行きました。
 それはごく普通の歩道の上で展開されている演奏でしたが、本当に上手なものでした。アルトサックスの音色もいいし、バリバリ吹くというよりもむしろ音量は控えめなんですが、アドリブのフレーズもツボを押さえたもので、もたつきもなく、手クセ的な繰り返しもありません。道行く人が手を振ると演奏しながら挨拶したりして実にフレンドリーなムード。すっかり堪能してしまいました。
 ふと観ると、おひねり用の楽器ケースの中にCDが入っています。オリジナルのスタンダード集CD(もちろん目の前で演奏している方の吹き込み)です。1枚千円。「湘南JAZZクラブ1」と「同3」(2はありませんでした)の2枚を購入しました。それくらいいいと思ったわけです。義妹もとても感激していて、帰り道も2人で「上手かったよね」「よかったですよね」と盛り上がってしまいました。
 妻の実家に帰ってきてからCDをかけてみたら、モノはCD-Rですからそれなりで、音質もそれなりでしたが、サックスは実に見事でした。革新的なことをやっているというよりも、もっとフランクにジャズのスタンダードを楽しんで演奏しているものなんですが、なにしろ上手。技術的な部分だけではなく、楽器が歌っている感じがあって、これはラッキーな出会いでした。CDにはURLが記載されていて、アクセスしてみたら、なんとこのサックスプレイヤーの方はアマチュアだそうで、ストリートライヴを中心に活動されているようです。でもここまで上手いと人前で演奏しても楽しいでしょうね(湘南ミュージックサービスで検索してみてください)。
 ちょっと前の日記に書きましたが、僕は一応アマチュアバンドなんぞをやっていますが、この方に比べたら、まさに月とスッポンです。やっぱり楽器が上手くて、聴く人を惹きつけるってすごいなあ、と思いました。今回の平塚行きは、もちろん親類の親睦と七夕見物がメインでしたが、思わぬところでいい音楽も聴けました。本当に、いい音楽はどこで会えるかわからないものです。幸運に感謝感謝。