慌ただしい金曜日の夜に、熱いブルースにシンクロ

 やっと金曜日ですね。いや、僕の気持ちですが(笑)。
 今週は大変でした。別に長時間の残業があったわけではなく、むしろ定時で上がれた1週間でしたが、精神的にきつかった。ここ2ヶ月ほどの懸案が事実上終盤にさしかかっていて、個人的にはもう僕の出る幕じゃないだろうと思っていたのがあれこれ「手戻り」のように僕のところに返ってきて、その処理に神経を使う数日間でした。まあこの年齢なので(?)かしこまってご指示を仰いでばかりではないですが、それでも大変でした。夏バテなのか体力的にもきつく、金曜日がとても恋しかったです(笑)。やっとここまでという気分。
 僕の住んでいる南関東は明け方は大雨、昼間は蒸し暑く快晴、夕方からまた雨模様で、今は外で雷が鳴っています。不安定な天気ですね。仕事のようです(笑)。そんな週末の夜、部屋には「フィルモアの奇蹟」を流しています。自分でも「もっとさわやかなもの聴けばいいのに」と思わないでもないですが、なんだか気持ちにしっくり来るんです。この緊張感、この「暑苦しさ」が、きつかった今週、慌ただしく汗ばんだ金曜日にぴったりです。僕自身としては明日明後日はとりあえず休めるので、今はもう寛いでいいはずなんですが、まだ体のどこかにある緊張感が、この熱く、長いブルースセッションに呼応しているようです。
 このアルバム、サイモン&ガーファンクルの「The 59th Street Bridge Song」で幕を開けますが、「気楽に行こうよ、急ぎすぎるなよ」という歌い出しのくせに思いっきり熱くて、なかなか面白いんですよね。「Dear Mr.Fantasy」での「Hey Jude」パートも粘っこくていい気持ち。同じフィルモアのライヴでもクリームの「Wheels Of Fire」2枚目のように観客の想像を遙かに超えた音楽を奏でるのではなく、あくまでブルースのインタープレイを基本にしているところがいいです。あまりに有名な盤なので、かえって敬遠されたりすることもありますが、諸々の伝説や評価を横に置いておいても、「親しみやすく・熱い」名盤だと思います。マイク・ブルームフィールドのとんでもなく美しいブルースギターも特筆もの(彼があまり顧みられないのは本当に惜しいです)。ノーマン・ロックウェルの傑作ジャケも含めて、ロックファンみんなに聴いてもらいたい「基本書」だと思います。
 なんだかんだいって、ここしばらくモヤモヤしていた仕事のあれこれのいくつかは、解決の兆しが見えてきました。もう大丈夫でしょう。今はまだ気持ちが張っていますが、徐々に和らいでくるはずです。だんだん眠くなっても来ました。寝る前に、もうちょっとだけこのブルースの暑さに浸りたいと思います。全国的に天候不順のようです。これを読んでいるみなさんの住む土地が安らかでありますように。おやすみなさい。

フィルモアの奇蹟

フィルモアの奇蹟