ビートルズデビュー46周年にふと思う

 某SNSのコミュや、GORICOさんのブログで改めて気づきましたが、今日10月5日は、ビートルズのレコードデビューの日だそうです。1962年のこの日、「Love Me Do」が発売されました。これはイギリスでそこそこのヒットになり、翌年「Please Please Me」が出てからのことはもう皆様ご存じのことだと思いますが、僕たちファンにとっては、いろいろな意味で「始まりの日」であります。
 ところで、ビートルズファンにはひとつの共通の疑問があります。「なぜデビュー曲が『Love Me Do』なのか?」というものです。ビートルズのデビュー当時、プロデューサーのジョージ・マーティンはプロの作家にデビュー用の曲を用意していました。後にジェリー・アンド・ザ・ペースメイカーズでヒットする「How Do You Do It」で、録音までしています(このテイクは現在「Anthology1」で聴くことができます)。ビートルズのテイストとは言えませんが、それなりにいい曲です。これでデビューしても、その後の「伝説」は、今とさして変わらず展開したことでしょう。 
 このとき、ビートルズは自作曲で勝負することを強く要望し、結局この曲はリリースされることなく終わったんですが、問題はそのあとです。当時すでに「I Saw Her Standing There」は完成していて(ハンブルグで演奏しています)、「Please Please Me」も原型ができていたはずです。前者は今でもポールのコンサートでハイライトになるくらいの名曲だし、後者も「ビートルズの初めての大ヒット」になるわけで、どうも曲の評価という意味では「Love Me Do」は分が悪い。記念すべきデビュー曲に、どうしてこの曲が選ばれたのか、そのへんがファンにはもうひとつ理解できない。熱心なファンほど腑に落ちない、そういうわけです。回答になるような当事者からの発言もほぼない状態なので、本当に手がかりなしです。
 昨日の日記にも書いたオフ会で、やっぱりそのことが話題になりました。「shiropさんはどう思いますか?」と振られて、明確な意見を持っていなかった僕は返答に困ってしまいました。オフ会参加者のみなさんは僕以上に熱心なマニアの方ばかりだったので、貴重な情報や推理が飛び交いましたが、全員が「そうか!」と一致するようなところにまでは行き着きませんでした。やっぱり難しい問題のようです。
 結局一番「そうかな?」と思われたのが「リヴァプールのファンに対する配慮ではないか?」というものでした。当たり前ですが、当時のビートルズリヴァプールのローカルスターであって、全国的には無名でした。ものになるのかどうかもわからないグループですから、まずは確実にヒットしそうな地域でアピールしよう、ということなら、彼らの曲の中でも、比較的R&B色の濃い曲でいこう、その方が地元で受けるだろう。ファンにとっても自分たちのスターがレコードデビューに際しても、自分たちのことを第一に考えてくれているという気持ちになれるのはいいことだ。そういう感じで決まったのではないかと。
 これはなかなか興味深い論考です。ロンドンとリヴァプールの地域色の違いも織り込まれていますし、無名のバンドのデビューにまつわるエピソードとしては、ありそうな感じです。「Love Me Do」はビートルズの曲の中ではいくぶん泥臭く、ブルース色が強いので、そういう線から選ばれた可能性は高いかも知れません。
 でも、やっぱり、なんとなくスッキリしないんですよね。別に「Love Me Do」がダメだという意味ではなく(僕はけっこう好きです)、なにか、「そう!その通り!」と納得というか、腑に落ちるところまでいかないんですよ。どうしてなんでしょう?なにが引っかかるのかなあ?まったく不思議です。
 これをお読みの方で「これが理由だよ」「こんな発言があるよ」というものをご存じの方がいらっしゃったら、ぜひお教えください。よろしくお願いします。

Love Me Do

Love Me Do