青春に捧げる思い出話(笑)

七五三の1枚

 昨日はドレミの七五三の参拝、今日は妻の職場で恒例のバーベキューに参加して全然身体が空かないshiropです。僕はまだそこそこの体調なので大丈夫ですが、先週から風邪気味の妻とドレミは明日以降どうなるか、本人達は全然明るいですが僕は密かに恐れています(笑)。今日のバーベキューも、腫れていましたが日が暮れてからはけっこう寒かったし。なんといってももう11月ですから、気温もそれなりです。
 数日前にCD屋に行って来たんですが、ベイ・シティ・ローラーズが紙ジャケになっていてビックリ!全然事前情報を得ていませんでした。ファーストからローラーズ名義のもの、イアンのソロバンドまで出ていました。実は僕はBCRはけっこう好きで、今回の紙ジャケ再発アルバムのうち5枚はすでに(LPとCDで)所有していました。今回のお題はそのうちの1枚「Dedication」(青春に捧げるメロディー)です。
 このアルバム、何を隠そう僕が人生最初に買った「洋楽のレコード」でした。今から32年前の秋(9月くらい)、中学1年生のときでした。このころのBCRの人気は、それはそれは凄まじいもので、「70年代のビートルズ」というキャッチフレーズも華々しい大スターでした。これは本国イギリスと日本だけではなく世界的なもので、ビートルズの「At Hollywood Bowl」(1977)でのジョージ・マーティンのライナー・ノーツに、娘さんから「ダディがプロデュースしたビートルズってBCRくらいすごかったの?」と訊かれたというエピソードが書かれていました(ちなみにマーティンさんの答えは「BCRほどじゃなかったよ」だったそうです。「そのうち娘にもわかる日が来るだろう」ですって)。
 ただ、このアルバムの2年くらい後にはもう人気は落ちてしまい、もともとアイドルポップ畑の存在だった彼らは急速に「過去の人」という烙印を押されてしまいました。初来日のときに放送された「ヤング・ミュージック・ショー」が口パクだったのも災いし、「演奏できない」というイヤなイメージもつきまとってしまいました(その翌年の再来日時にフジテレビで放送されたスタジオライヴではちゃんと演奏していたのに、そっちの記憶はみんなないようです)。
 ではその全盛期に作られた「青春に捧げるメロディー」、今の耳で聴くとダメな作品かというと、とんでもない、これは70年代ポップスの傑作のひとつだと断言できます。最初に書いたように僕はこのアルバムが「初めて買った洋楽」ですが、そうした思い入れを排してもなお、素晴らしい作品だと確信しています。このころのアイドルバンドは、けっこう過去のポップスを取り上げていますが、このアルバムでのBCRダスティ・スプリングフィールドで有名な(そしてその後もたくさんのアーチストがカヴァーする)「I Only Want To Be With You」、ビーチ・ボーイズの名曲「Don’t Worry Baby」などを独自のアレンジで演奏しています。オープニングはラズベリーズの「Let’s Pretend」で、オリジナルにはないイントロもチャーミング。基本的には元歌と同じアレンジですが、ずっとすっきりと仕上げたもので、とてもプロデューサーが同じ(ジミー・イエナー)とは思えないです。僕はこの曲が気に入ったのがきっかけでエリック・カルメンを知りました。他にもジョン・ポール・ヤングの「Yesterday’s Hero」(最高に高揚するアレンジと歌唱です)やラス・バラードの曲(「Are You Cuckoo」。ただし僕がラス・バラードの名前を意識するのはこの3年後のレインボー「Since You Been Gone」からです)など盛りだくさん。そしてメンバーのオリジナルもなかなかいい曲が揃っています。
 全体的にはポップスですが、プロダクションワークはきっちりしていて、曲によってのアレンジのメリハリはちゃんとしています。ハードな曲ではギターが前面に出ていて、彼らがイギリスではグラムロックの系譜に入るという話しが頷けます。レスリーのボーカルも上手で、ジャンプナンバーから大甘のバラードまで、ちゃんと歌いこなして、けっこう聴かせます。彼らをちょっとおちゃらけて語っている人は(ブログなどでも)多いですが、実際のところこの「青春に捧げるメロディー」よりも出来のいいポップスのアルバムを挙げろと言われたら困ってしまうと思います。僕はそれなりに洋楽を聴いていますが、同時期のポップスでBCRと比べられる存在はそんなに浮かびません(フロイドやクイーンを持ち出すのはルール違反ですよ)。
 彼らが大スターだった70年代中盤の数年間は、その後パンクの誕生により一気に評価が変わってしまった時期で、それが今まで続いているせいでBCRは「ダメなバンド」ということになってしまいました。でもそんなことはないです。最近では再評価もされているようですが、今回の紙ジャケ再発がきっかけになって、まともな評価になってほしいと思います。
 最後に個人的なことを書きますと、当時のLPの歌詞カードに、英単語の読み方をカタカナで書きこんだことを憶えています。いかにも中学生らしいでしょ(笑)?「I Only Want To Be with You」では歌の中に「wanna」という単語が出てきて、それがなんだかわからなくて悩んだのも「青春の思い出」です(笑)。それにしてもあれから32年、まさかこんなに「洋楽」と長い付き合いになるとは思いませんでしたよ(笑)。

 もうひとつ追記:写真は昨日の七五三の一コマ、というか、八幡様ではご機嫌斜めになってしまって、こういう写真は撮れませんでした。これは出発前の自宅ガレージ前です。親バカですすみません。