キャロル・キングのコンサートに行ってきました。

 今日は東京国際フォーラム(ホールA)にキャロル・キングのコンサートに行ってきました。キャロルは昨年も観ましたが、あのときはメアリー・J・ブライジファーギーと競演でした。今日は待ちに待った、ワンマンコンサートです。僕の席は会場の真ん中よりちょっと前くらい、少し左に寄ったところでしたが、そこはピアノに向かう彼女の正面で、結果的にラッキーな席でした。
 コンサートは(昨年と同様)キャロルのピアノ弾き語りがメイン、曲によってルディ・ゲス(ギター)、ゲイリー・バー(ベースほか)の2人がサポートするというシンプルなもの。ステージにはツアータイトルどおり「リビング・ルーム」のセットがありました。
 で、コンサートの出来はというと、もう「いうまでもない」というレベルで素晴らしいものでした。シンプルな構成ながらピアノも歌声も申し分ないものでした。昨年の3ヘッドライナーで武道館であっても見事に会場を征服できたキャロルですから、ワンマンの国際フォーラムなど敵ではありませんでした。日本語も含めてMCも多めで、みんなでこの雰囲気、音楽を楽しもうという実にいい気持ちの時間が過ごせました。休憩20分を差し引くと正味1時間半強くらいかな、定番の代表曲はほぼ網羅してくれました(それでも漏れてしまった名曲はたくさんありましたけれど)。
 第1部の途中でキャロルもギターを持ち、「Smackwater Jack」などを歌うコーナーがありましたが、ギターを持ち替えるときに「こうやって曲ごとにギターを替えているとザ・フーみたいよね」と語り出しました。続いて客席に向かって「フーのコンサート行った人はいる!?」と振って、一部の観客から歓声が上がると(僕も声を上げました)ひとこと「Fantastic!」、そしてピートの「風車」のマネまでしてくれました。聞くところではキャロルは19日、僕の席のすぐ近くでフーのコンサートを観ていたそうです。
 第2部ではモンキーズの「Pleasant Valley Sunday」やビートルズもカヴァーした「Chains」などを交えながら代表曲のオンパレード。「Natural Woman」や「You’ve Got A Friend」では観客も一緒に歌い、最後はスタンディング・オベーションの中、昨年の武道館では聴けなかった「Loco-motion」。リリースされているリビング・ルームもののCDやDVDよりもずっとラフ、そしてナチュラルに盛り上がり、最高の雰囲気の中でお開きとなりました。
 今夜のコンサートでなにより嬉しく驚いたのはキャロルのコンディション、声に張りがあり、かなり高いところまで悠々と出せていました。彼女についての文章で「決して絶世の美女ではなく、歌もピアノも最高に上手いわけではないが胸にしみる」みたいなものを読んだことがありますが、とんでもないです。彼女はとてもチャーミングで、歌もピアノも本当に素晴らしかった、今夜のコンサートを観た僕は断言できます。なによりもステージを楽しんでいるという感じが伝わってきて、観客の一人であることを心から喜べる、いいコンサートでした。実は今日は、久しぶりに妻を連れて行ったんですが、洋楽に興味がなく、キャロルの曲もあまり知らない彼女も「いいコンサートだった」と言ってくれました。大枚出した甲斐がありました(笑)。
 今日のコンサートは、ブログ友のtaishihoさんも来られていて、終演後3人で食事をしました。Taishihoさんもコンサートを楽しまれたようで、満足そうでした。帰宅時間の関係で短時間でしたが、コンサート後まで楽しい時間が過ごせました。Taishihoさんありがとうございました。
 キャロルといいフーといい、長いキャリアのアーチストが相応しい尊敬と喝采を得、素晴らしいコンサートを開くことが出来るということは、本当の意味でのシーンの「厚み」を表していると思います。この1週間、本当に楽しく感動的で、また力ももらいました。みんなみんな、ありがとう。僕も自分の「ステージ」でがんばります。

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