チケット届きました。

 来ました。エリック・クラプトンジェフ・ベックの競演コンサートのチケット。届いたのは「初共演記念オリジナルチケット」というもので、通常のシステム出力のものではなく、2人の写真がレイアウトされたカラー印刷のものでした。そういえばチケットぴあ等のシステムが導入される前は、公演ごとにこういうふうに独自のデザインをされたものが出ていましたよね。なんだか久しぶりにこういうものが来て、ちょっと嬉しいです。
 積極的に情報を求めていないので、実際にどういうコンサートになるのか全然知らないんですが、個人的にはやっぱり(各々のメインコーナーはあっていいですが)全編2人がフロントにいて、どの曲でも一緒に演奏してほしいですね。実際問題として、どんな構成になるのか、何回くらいリハーサルできるのか(2人ともそれぞれのツアー中ですからね)気になるところは多いですが、そのへんは当日のお楽しみにとっておきましょう。クラプトンは気がつけば前回も行っていますが、ジェフは久しぶり、というか僕はジェフのコンサートは過去1回しか行ったことがないので(10年くらい前)、そのあたりも楽しみです。
 真面目に書くと、現在の2人の音楽にはずいぶん違いがあるので、すりあわせは大変なんじゃないかな?2人がそれぞれ自分なりのことしかやらなければ競演する意味がないし、かといって「2人が無理なく競演できるものにしました」とかいってブルースのセッションみたいなものばかりだったら、それもまたまずいと思います(いや、そういうのも個人的にはすっごく聴きたいですけどね)。
 今聴いているのはジェフの「Performing This Week」昨秋に出たライヴ盤。日本ではここ数年ライヴ盤が続けてリリースされていたジェフですが、あれは本来ウェブのみのリリースだったものを日本だけで通常販売していたものだったはずで、オフィシャルにリリースするものとしては、なんとあのヤン・ハマーとの競演ライヴ以来ほとんど30年ぶりの、しかも(全世界リリースとしては)キャリア2枚目の実況盤になるはずです。日本で出た過去2枚が、基本的にノー・エディットだったのに対して、今回はずいぶんまとまった演奏を聴かせてくれます。やっぱりこういうのをちゃんと聴けるのは嬉しいですね。ミスも含めて編集なしというものは、オフィシャルものがちゃんと体裁を保っているからこそ価値を持つものですから(今回のアルバムも、過度のエディットはしていないようですが)。ギターの音色や弾き方も、過去2枚のやたらギンギンなものに比べると聴きやすくなっていて、そのぶん演奏そのものに集中して聴くことが出来ます。なによりも音楽全体に「潤い」が感じられるところがいいですね。正直、過去2枚は好きですが、聴き疲れるところもありましたから。
 ずっと以前に書いたことの繰り返しですが、ジェフのキャリアは、もう後追いで「これこれの意味がある・これこれの必然性がある」なんて語ることが無意味のような気がします。あるのは、ただそのときどきの「ジェフ・ベックの音楽」。こういう道を歩めるミュージシャンは本当に少ないので、その意味ではやっぱり彼は「神に選ばれた」人なんだなあと思います。ブルース道を歩む巨人として、希有な人間ドラマを生きる芸術家として有名なエリックに対して、実に超越的な存在のジェフですが、さて、同じステージに立つことで何が生まれるんでしょうか?願わくば、僕たちの予想をはるかに超えたものになってほしいものです。

Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz

Performing This Week: Live at Ronnie Scott's Jazz