職場に流れるウェス・モンゴメリー

 今日は日曜出勤。でも平日勤務日よりも短めだし、土日はわりとゆったりと過ごせるので、嫌いじゃありません。今日は休暇をとっているスタッフさんなどもいて、人数的には厳しかったんですが、なんとかこなせる程度には僕も成長しました(本当かな)。
 ところで以前にも書きましたが、僕の職場には来客用カウンターがあり、そこにはミニコンポを置いていて、みんなで好きな曲をかけています。殆どが軽めのクラシックやリチャード・クレイダーマンなど。僕もモーツアルトを2枚ほどとポール・マッカートニーのクラシックものを1枚持参していて、時々かけています。
 で、今日なんですが、午後のカウンター当番のとき、ちょうどお客さんも途切れ、別のスタッフさんも席を外した時間がありました。ふと「これはチャンス」と思い、以前持ってきていてかけていなかったCDをこっそりかけてみました。午後の日差しの中(空調が効いているので外の猛暑が気にならない)静かな職場に流れるのは、、、。
 「A Day In The Life」。
 ビートルズ!?と思った皆さんチッチッチ、これはあのウェス・モンゴメリーのアルバムの方です。まあタイトル曲と「Eleanor Rigby」はビートルズでしたけど(笑)。このアルバムは、イージーリスニング的といわれてきましたが、実際に聴いてみるとそんなぼんやりしたものではありません。これを職場に流すのにはちょっと場違いかもしれないと思って今日まできたんですが、誰もいないのでこっそり(笑)。
 ああ、いいなあ。上にも書きましたが、表面的には甘めのアレンジなのでそれほどの違和感はないんですが、よく聴くと得も言われぬ緊張感があり、それが午後の空気とよく合って、良い感じです。仕事中だというのに、すっかり気分良くなっていたら、、、。
 スタッフさんが戻ってきていて、後ろからいきなり「shiropさん、これ、ジャズですか?」と声をかけてきました。思いっきり驚いて「ごめん、今ちょっと誰もいなかったからかけたんだけどさ、いや、ちょっと流してみたかっただけなんだよ、ごめん、変だったかな?」なんて、訊かれてもいないのに言い訳オンパレード(笑)。幸いそのスタッフさんからは「いえ、静かな感じでいいじゃないですか。こういうのも雰囲気が変わっていいですよ」と嬉しいお答え(気を使わせちゃったかな)。なんとかその場は平和に終わりました。結局今日は「A Day In The Life」はその後も何回かかけてもらえました。
 今これを書きながら、部屋にもこれを流しています。本格的なジャズファンからは冷遇されていたと感じていたこのアルバム、というか晩年のウェスですが、もうそんなことはないのかな?こうして聴いていると、ブルース的意匠やインタープレイ的奏法がなくてもジャズは成立するということを、最も美しく証明してみせたのが晩年のウェスだと感じます。勇気を出して(?)職場で流してみてよかったです。

Day in the Life

Day in the Life

 追記:ところでこのアルバム、ジャケットがすごいですよね。こんなものを撮影して、こんなにおしゃれにできるなんて信じられないです。フィルターにうっすら残った口紅がまた色っぽくてイイ。中身の音楽にピッタリの艶だと思います。