本当に亡くなったんだろうか、加藤和彦

 今日は恵比寿まで、taishihoさんの個展を見に行って来ました。相変わらず素敵な作品でした。そこで作者ご本人にもお会いして、お友達の方とも一緒にお酒や食事をいただいて楽しい時間を過ごしたんですが。
その席でtaishihoさんから「さっき知ったばかりのショッキングなニュースがあるんだ」というお言葉。何かと思ったら。
 加藤和彦が亡くなった、とのこと。
 その場ではそれ以上の情報がなく、ともかくみんなでひとしきり「早すぎる」「残念だ」と話した後はいったん(話題としては)おしまいになったんですが、帰宅後ニュースを確認したら、「自殺」という驚くべき言葉が。なんだかもう、夜遅くてお酒まで入っていて、すぐに考えがまとまらないんですが、どういうことなんでしょう?自殺するような理由があったんでしょうか?
 僕が最後にこの人のアルバムを購入したのは、あのカエラちゃんと一緒のサディスティック・ミカ・バンドのものでした。あのアルバムは名作だと今でも思っています。
 僕は加藤和彦の作品の総てを持っているわけではないですが、折に触れて聴く、その最大の魅力は、あの「どこに飛んでいくかわからない不思議な軽さ(たたづまい)」と、あの誰にも真似できない声でした。あの名作「ハレンチ」は10数年前にCD復刻されたときに聴きましたが、あの人はもうこのときからあの「加藤和彦」の声をしていました。今さらながら驚いた記憶があります。日本の大衆音楽の、それこそすべてのフィールドで活躍されたといっていいこの人の、あの声こそが僕にとって、かけがえのない「加藤和彦」でした(僕はなんだか照れくさくて「トノバン」って使えないんです)。
 こういう追悼文では最後に「ご冥福をお祈りします」って締めるんですが、突然すぎて、そして「自殺」なんて知ってしまい、なんだか冷静になれません。一夜明けたら「誤報でした」ってならないかな?