ザ・フー、スーパーボウルに降臨!

 ついにやりましたね、ザ・フースーパーボウルのハーフ・タイムショウ。もちろんリアルタイムで観ることはできませんでしたが、YouTubeで観ることが出来ました(ほんと、便利な世の中ですよ)。フーの楽曲やキャラクターは単なる「お祭り盛り上げ部隊」とは異なるので、事前にはどうなるのかなあと心配(?)していたんですが、いやあ、僕の余計な心配などまったく関係なし。見事なパフォーマンスでした。意表をつく「メドレー形式」の演奏でしたが本当に巧みで考え抜かれた構成。曲が変わるたびにハッとさせられました。
 見た目について書きますと、ザックの叩くシンバルはモッズのシンボル「的」の彩色が印象的(ユニオンジャックをデザインしたシャツを着ていたのもキース的でありジョン的でもあり、よかったです)、ピートの赤いバンダナもチャーミング、ロジャーもちゃんと着る物に気を使っていたようでよかったよかった(笑)。みんなやっぱり「全米が注目するイベント」であることを意識して、隙のない感じでした。
 そしてもっと印象的だったのがステージ演出の派手さ。スタジアム中央に巨大な円形ステージを置き、外周はビジョンにして演出を行い、花火は上がるわレーザー光線は回すわ、実に金のかかった感じでした。これが僕には意外であり、嬉しくも感じました。スーパーボウルのハーフタイムに疎いのでこんなことを思うのかも知れませんが。ザ・フーはステージのセットや演出より演奏自体で勝負するバンドで、過去にもそんなに派手なセットでの演奏はなかったんですが(あくまで比較的ですよ)、こうしてハイ・バジェットの演出の中の彼らを観ていると、全然負けていないというか、本来これくらい派手な演出でないと見合わないくらいの大きな「華」を持ったバンドだったんだと再認識しました。特にステージ外周の映像は派手なだけではなく演出も音楽を・バンドを熟知したものでした。
 ウィンドミル全開の「Who Are You」が終わり、「See Me Feel Me」の最初の部分が始まり、このまま大団円かと思った次の瞬間始まる「Won’t Get Fooled Again」。これを「鳥肌モノ」と言わずしてなんと言いましょう?結局最初から最後まで僕は興奮しっぱなしでした。映画「Kids Are Alright」の「無法の世界」で観た「ピートのジャンプ・スローモーション」、あの瞬間の戦慄がずっと続くような気分でした。ロジャーも歌い出し間違えなかったし(笑)。
 そしてやっぱりというかなんというか、観客のみなさんの圧倒的な支持。スポーツ観戦に来たのですから、熱心なファンばかりではないはずなのに「Baba O’riley」での「十代の荒地」も「無法の世界」の決めフレーズもみんな歌える。僕は期待しないで観ていたので、「It’s only teenage wasteland」での大合唱は感動でした。頭では知っていたはずの「ザ・フーは米英では真のスーパースター」という単純な事実を思い知らされました。それからもうひとつ、「Who Are You」でロジャーがギターを弾かずにマイクを持って歌ってくれたのが嬉しかったです。来日公演でもこれが観たかったなあ。
 最初に書いたように、事前に知ったときは心配というか不安もあった今回のショーですが、今はもう大満足の大感激、彼らのファンであることを誇りに思えるような素晴らしいパフォーマンスでした。なんだかいろんな人達に向けて「どうだ、凄いだろう」と自慢したくなるようなものでした(妻にはやってしまい、呆れられてしまいましたw)。昨年は個々の活動が主だったフーですが、今年はどうなのかな?新作が出るという情報もあるし、こんな見事な演奏を観てしまうとやっぱり期待しますよね、再来日。ぜひまた実現して欲しいですね。また追っかけますよ(笑)。ピート、ロジャー、そして「チーム・ザ・フー」のみんな、待ってますよ!

なぜかエンディングが切れているのでもうひとつ