5月16日の天の輝き

 先々月の16日、夜空を見上げた人、そしてそこに何があったか憶えている人、いらっしゃいますか?
 今日1冊の雑誌を買いました。「星ナビ」(編集発行はアストロアーツ、発売は角川グループパブリッシング)。お目当てはあの「はやぶさ」でした。オーストラリアで撮影された綺麗な写真が掲載されていました。その特集に限らず天文雑誌は綺麗な写真が多く楽しいです。この雑誌は初めて買ったんですが、「天文ガイド」などよりも初心者向けに編集されていて、僕程度の人間にもわかりやすかったです。
 で、特集を読み終わったあとパラパラめくっていたところ、読者投稿による天文写真のページがありました。これまた綺麗なカラー写真が載っていて楽しめましたが、その中に2枚、別々の人が同じものを撮った写真がありました。それは月と金星です。日没後の西の空に輝く三日月とそのすぐ上にある金星。1枚は深い深い青の中に浮かぶ2つの天体を、もう1枚は東京タワーなどの「夜景」の上空に浮かぶ様子を撮影したものです。撮影されたのは奇しくも同じ「平成22年5月16日」。この日は全国的に天気が良く、この見事な「ペア」はたくさんの人に見られたはずです。
 なぜ僕がそんなことを知っているかって?それはですねえ、僕もこの夜空を眺めていたからです。夕食後西の窓から空を見上げたらそれこそ息を呑む美しい光景。思わずドレミに声をかけ、家の外にまで出て眺めたのです。その夜のことを某SNSの日記に書いていたので日付も特定できました。写真の撮影はどちらも19時を過ぎたところで、僕の記憶でもそれくらいでしたから、天文学的に言えば(笑)ほとんど同時だったといっていいでしょう。
 某SNSの日記では関東以外にお住まいの方から「自分の家からも見えたよ」というコメントをいくつかいただきましたから、本当に広い範囲で見られたんですね。それほど美しい空だったということもいえますし、「実はみんなふだんから空を見ていた」ともいえると思います。でもこうして同じ日の同じ空をたくさんの人達が見上げ感動していたというのは、とても嬉しいことです。
 今日のニュースで、「はやぶさ」のカプセルの中に粒子が入っていたと報道されていました。宇宙に、星空に思いを馳せるということ、たくさんの人が思いを一つにして一筋の光を追い、夜空を見上げるということが、巡り巡って科学の発展・進歩に繋がり、それが新たなロマンに繋がるのかと思うと、この世界に遍く在る「奇遇」を感じずにいられません。
 「星ナビ」によれば、この夏は西の空で4つの惑星が近くに見られるそうです(火、水、金、土)。今から梅雨明けが待ち遠しいですね。