行くぞ、バッド・カンパニー

 実は、ちょっと前まで迷っていました。払い戻ししようかどうしようか…。
 来週、バッド・カンパニーのコンサートがあります。で、数日前に「ミック・ラルフス急病で来日できず」という知らせが。
 正直、迷いました。とはいっても「ミックがいないんじゃあ行ってもしょうがない」などと無礼なことを考えたわけではありません。実は来週と再来週、僕の職場は突発的にシフト変更があり、ある程度を僕がカバーしなければならなくなっていたのです。コンサートのある日もすでに朝一番(早朝シフト)に入ることが決まっていて、終わりが(現時点でも)はっきりしない。そしてこういう状態がしばらく続きそうなかんじなのです。この状況でコンサートの予定はきついかな?と、ちょっと頭をよぎったのです。
 でも、数日悩んで、行くことに心を決めました。もちろん楽しみにしていたものですし、もうお金を払ったものですから当然なんですが、最終的に心を決めたのは「今の彼らをちゃんと観たい、聴きたい」という気持ちが定まったからでもあります。仕事なんてどうにかできるわ、「今日は遅くまでいられないから後は頼むよ」って言えばすむ事だ、それくらい今までもやってきたことです。
 そして、ミックがいないことがバンドの音楽にどのように影響するのか、そしてそのなかでポールやカークがどんな音楽を奏でるのか?ちょっと不謹慎な言い方になりますが、こうした「アクシデント」によって音楽が、思いもよらない成果を上げてくれるかも知れません。僕は過去に「リッチー・ブラックモアが抜けた直後のディープ・パープル」「グレッグ・オールマンが急病(?)で出演しなかったオールマン・ブラザーズ・バンド」を経験していますが、どちらもテンションの高い演奏を聴かせてくれました。今回のミックの件は上記2つとは違うものですが、ある種の予感はします。
 昨日(10月22日)の朝日新聞夕刊に、ポールとカークのインタビューをもとにした記事がありました。バンドの前史であるフリーのことにまで言及しつつもまとまったいい記事でしたが、そこでの2人は非常に充実している感じで(写真もなかなかよかったです)、これはもしかして期待以上のものが経験できるかも知れません。ミックが一緒ではないことは本当に残念だし口惜しいですが、そういうことも踏まえて、火曜日はしっかりとバッド・カンパニーというバンドを目に耳に焼き付けてきたいと思っています。
 最後になりましたが、ミック・ラルフス様、心からお見舞い申し上げます。1日も早い回復を、そして1日も早い活動再開をお祈りしております。

Hard Rock Live (Bonus Dvd)

Hard Rock Live (Bonus Dvd)

 追記 上記の新聞記事でポールもカークも、ポール・コゾフについて率直で感動的な言葉で語っています。「自分にとってナンバーワンのギタリストはコズだ」「コズは自分の中の悪魔と闘っていた。見ているのがあまりに悲しかった」(ポール)、「フリーの最後は胸が張り裂けるほど痛ましかった。だからこそバッド・カンパニーではハッピーな、楽しい音楽を追求できたんだ」(カーク)。特にカークの言葉は、コゾフに対する愛情、フリーというバンドの悲劇性、そしてそこから発展したバッド・カンパニーの音楽性の基礎までを簡潔に述べたもので、非常に重要な発言だと思います。