新年最初は、生ギターの音色に感動する話

 遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
 今週はなんだかお疲れモードです。正月休みが慌ただしかったせいか、新調したテレビとスピーカーの設定にあれこれ戸惑ったせいか?週末が嬉しいです(でも、日月とも仕事なんですが)。今日はちょっと最近聴いている音楽のことを。
 僕はオヤジバンドをやっているくせに楽器については淡白で、楽器系の雑誌も読まず、スペックなどにも無頓着でした。当然ヴィンテージがどうの音作りがどうのなどという話題にもついていけません。「普通に鳴ればいいじゃん」という捉え方で、だからバンドの担当楽器であるベース以外には、リッケンバッカーのギターや安物のセミアコくらいしか持っていませんでした。ずうっと。
 それが急に変わったのは2008年の秋。忘れもしないザ・フーの来日時。ちょうどこの時のギターマガジンがピート・タウンゼントを特集していたので購入し、使用楽器などの解説を読んでいたら、急に来ちゃったんです「ギター欲しい病」が。これが発端でした。で、このときにフジゲンのレスポール(深い緑色の、フルホロウで3kgしかないという特徴的なもの)を購入したことはこのブログでも書きました。実際バンドではベースを弾いているので人前ではほとんど弾く機会がないんですが、とても気に入っています。
 で、それで治っていればそれだけだったこの病気ですが、時々再発するのです。実は上記のフー来日時以後、ときどきギターマガジンやプレイヤー誌、ギター系のムックなどいろいろ購入するようになったんですが、そういうものを読んでいると、欲しくなる(笑)。当たり前ですね。いろいろ読んでいると今まで知らなかったギターのアレコレもわかるようになり、また欲しくなると(笑)。ローンあり家族ありのリーマンにとっては非常にマズい病気に罹患しちゃったらしいのです。ヘタクソだったせいであまり楽器そのものには愛着を持っていなかった僕なのに、この2年ほどは今までの人生ではなかったほどの状態です。
 で、そういうものが、だんだん聴く方にも影響を及ぼしてくるようです。罹患前よりも「この音テレキャスかな?」「どんなふうに弾いているんだろう?」などと考えるようになりました。同時に、良さはわかっていてもそれほど入れ込んだりはしなかったアメリカのロック、特にブルース系やカントリー系の演奏に注意するようになりました。そうした分野のミュージシャンの多くは音色や弾き心地を基準に楽器を選んでいて、そういう部分を楽しめるようになったのです。いろいろなギターがあり、それぞれに個性と魅力があります。
 ここしばらく気になっているのが、アコースティックギターです。始めのうちは最近のアコースティック弾き語り系やCSNなどを聴いていたんですが、だんだんエスカレート(?)して、今一番よく聴くのは少し古めのものです。ガイ・ヴァン・デューサーやトン・ヴァン・バーゲイクなどのラグものを経て、現在はあのジャンゴ・ラインハルトに辿り着いています。もちろんジャンゴの音楽は以前から知っていましたしCDも持っていましたが、音楽全体を聴くと同時に、ギターの音色やサステイン(の無さ)、それに(グラッペリの)ヴァイオリンのバックになったときの音量や音色の変化などに注意しながら聴くと、今までとは違った楽しみ方ができるようになりました。僕はものすごくいい耳やセンスを持っているわけではないし、ジャンゴの録音も非常に古いものですが、それでも伝わってくるものがあり、気づくことがあります。
 何回も何回も書いていますが、僕は楽器演奏に関してはまったくヘタクソで、自分の演奏に酔うなんてこと、一生なさそうです。でも、実際に楽器を持ち、それを愛することから派生する「音楽の聴き方」があるのだと思うと、こんなオヤジが今頃(40代後半も後半に入ってます)になってギター欲しい病に罹ることにも、いくばくかの意味があるのかな、少なくとも音楽の聴き手としては、と思います。
 ちなみに、アコースティックという意味で今一番のお気に入りは憂歌団の「Best Of UKADAN Live」です。このアルバムのギターの音色は本当に最高。実はこの時期の憂歌団は実際に何回かコンサートを観たことがあり、実際のステージでも惚れ惚れするような音色そしてルックスのアーチトップ・ギターに感動したものです。聴いていると無性にヴィンテージもののアーチトップが欲しくなります。結局病状悪化(笑)。

ジャンゴロジー~スペシャル・エディション

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Best of UKADAN Live

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