ポール、誕生日おめでとうございます。

 今日6月18日は我らがポール・マッカートニーの誕生日。なんと69歳です。最近は高齢のロック・ミュージシャンも珍しくないし、60歳を超えてから再評価や名作を出すアーチストも少なくないのであまり注目されませんが、冷静に考えるとすごいことですよね、こんな年齢まで人気が落ちずに現役でいられるのって。フォーブスの興行収入番付でも上位にいたらしいし、さすがです。
 ところで、もうすぐ「McCartney」と「McCartney2」のデラックス版が出るようです(もう入手できるのかな?)。昨年出た「Band On The Run」の豪華版もまだ入手していない僕ですが、今回の2アイテムは興味津々です。「ロッキング・オン」で松村雄策さんがどちらのアルバムもポールが「失敗した」ときに作られた作品だと書かれていましたが、そのせいかどうか、どちらのアルバムもいつもと違う「ポールの素顔」が観られるようです。「McCartney」の方はさすがに好意的な評価を聴くことが多くなってきましたが、「McCartney2」は今でもあんまり褒め言葉を聞きません。でも僕はこの2枚、けっこう好きです。もちろん「2」の方も。
 ほとんどポールが一人で作り、手作り感満載ですが、僕はそれよりも、なんというか、このアルバムでしか聴けない独特の音、残響感(特に「On The Way」「One Of These Days」「Summer’s Day Song」など)に惹かれます。稚拙といえば稚拙、作り込み不足といえば確かにそう、でも不思議に気持ちに入ってくる、なんともいえない感触。それは宅録だから、ワンマンレコーディングだから必ずこうなるということではないでしょう(同じようなプロダクションでもっと一般的に「優れた楽曲」だって、ポールにはたくさんあります)。このアルバムにはこのアルバムでしか聴けない音楽があり、それは僕にとってちゃんとポールの音楽として受け入れられるものです。あんまり共感してもらえない思いですが、正直な気持ちです。
 今これを書きながら、当然ですが「2」を聴いています。今は「Waterfalls」が流れています。バラード作品ですが、奇妙な緊張感がある名曲です(構成という意味では非常に単純なのに)。名作の分析は簡単(?)ですが、こうしたアルバムは言葉で語ることが非常に難しい。でもそうした「語りにくさ」こそ、音楽の本質かもしれない、そう思うともうこのアルバムを疎かにできなくなってしまいます。僕にとって「2」は、そういう気持ちにさせてくれるアルバムです。買おうかな、「2」の豪華版。ポールの誕生日お祝いのつもりで。「Band On The Run」もまだ買ってないのに(苦笑)。
 注、「McCartney2」の「2」は本来ギリシャ数字のですが、表外字で正しく表示されないかも知れないのでアラビア数字で表記しました。

マッカートニーII(スーパー デラックス エディション)

マッカートニーII(スーパー デラックス エディション)