「ぴあ」最終号に感激

 「ぴあ」の最終号、買いました。ちょっと前のエントリに書いたとおり、今回の休刊自体には「心から残念と思う」というのとはちょっと違う受け止め方をしているんですが、店頭で実物を見て、そのまま買っちゃいました。というのは…。
 39年間の総括記事や「創刊号復刻版」などもあった最終号ですが、僕が買った最大の理由は、及川正通氏の表紙イラストが大々的にフィーチャーされていたから。
 これはもう、予想外の喜びでした。全号のイラストを(小さくですが)掲載している以外に、表紙に登場した(つまり及川氏が描いた)人物がコメントを寄せていたり、イラストで当時のシーンを振り返ったり、ご本人へのインタビューがあったり、事実上「及川表紙イラスト特集号」ともいえるようなもになっています。これは貴重です。
 で、上記した、全1300点(文字どおりギネス級ですね)を紹介したページで、探しちゃいましたよ、「マイ・ファースト・ぴあ」(笑)。ありました。64ページにある「1979年7月号」。「リトル・ロマンス」が表紙のもの。この号の情報をもとに、僕は(記憶が確かなら)三鷹まで「Jesus Christ Superstar」を観に行き、その夜劇団四季の「ジーザス・クライスト・スーパースター」を観たのです(すごい1日だったな。確か夏休みの初日だったはず。ちなみに映画「JCS」の併映で、まったく未知の存在だったザ・フーの「Tommy」を観て彼らのファンになったという話しは、以前書きましたね)。
 休刊のことを取り上げたエントリに書いたとおり、高校に入って急に行動半径が大きくなった僕でしたが、そのときに一番頼りにしていたのは「ぴあ」でした。その意味でも、「最初の一冊」だった号は思い出深いです。表紙イラストだけでも再会できて嬉しいです。情報はこれからも形(媒体)を変えて世に存在し続けるでしょうが、この表紙イラストはまさに「リアルタイム」「ワン・アンド・オンリー」のものとして、時代の象徴として、読者だった僕たちの記憶に留まり続けるのかも知れません。今はともかく「お疲れさま」と一言、ごあいさつしたい気持ちです、及川氏にも、「ぴあ」本誌にも。

ぴあ [最終号]

ぴあ [最終号]

 追記:テレビでも取り上げられていた最終号ですが、なんだかキャスターなどが「現代はすべてネットで検索できてしまってつまらない。「ぴあ」が全盛だったころはよかった」みたいなことを話しているのを聞いて、僕は少し違和感を持ってしまいました。この雑誌が全盛だったころ、果たしてみんなそんなふうに思っていたでしょうか?いや、実際に買って使っていた人はともかく、いわゆる「評論家筋」「玄人筋」は「こんなものは雑誌ではない」「作り手の心がない」と批判されていたと記憶しています(実際、僕はいくつかの「活字ばっかりの雑誌」でそう批判されていたのを読んだ記憶があります)。過ぎ去ってしまうと、みんな美しく見えるというものの典型なのかな?
 もうひとつ追記:表紙イラスト、単独での登場回数トップが「この人」だったなんて意外(笑)!