「Magical Mystery Tour」BD、またもや箱買い(笑)

 買いましたよ「Magical Mystery Tour」BD。もちろん一番高いヤツ(笑)。「Help!」もそうしたし、もう意地みたいなものですね。今回も約2万円という、この不景気によくこんな商売成立するよ、というような価格で「踊らされて」きました(カギカッコ内は妻の言葉ですww)。
 内容は「BDディスクとDVDディスク各1枚」「厚紙でなかなか豪華なブックレット」「ブックレットの翻訳冊子」「バスチケット・デザインカード(コンサートチケットのような感じのもの。これが実際のパスのデザインだったのかな?)」「2枚組EPの復刻版(モノラル)」。というもの。「Help!」の箱のような威圧感やシナリオ復刻版のような力技はないですが、今回の収穫はブックレットと映像特典にありました。
 ブックレットは撮影当時の模様をかなり詳細に追ったドキュメンタリー(写真も豊富)。映像特典にもカットされたシーンなどが盛り込まれていました。個人的に嬉しかったのはツアー日程が解説されていたことと、ビートルズ以外のキャストにもかなりの分量を割いて解説があったことです。ちなみにリンゴの叔母さん役のジェシー・ロビンズはイギリスではかなり有名な女優さんだそうです。映像特典のなかで(たぶんアドリブで)ドラムを叩いていて、これがけっこう達者で驚いてしまいました。
 映像特典に収録されているものには資料性の高いものが多く「ナットの夢」「アイム・ゴーイング・イン・ア・フィールド」などは最終的にカットされたものながら不思議な、捨てがたい魅力を持っています。個人的に驚いたのはなんとトラフィックが写っていたこと。というか、もともとこの作品に出演する予定で撮影されたという「Here We Go Round The Mulberry Bush」の映像では、当時のトラフィックのメンバーが野外で大きな地球儀を転がしていました。こんな撮影をしていたなんて僕は全然知らなかったんですが、みなさんご存知でしたか?
 さて、作品そのものですが、以前出ていたソフトではやたらあった画像ノイズはかなり綺麗になっていました。画像が粗めに見えるときがあるのは、元々の映像が16mで撮影した(当時の)テレビ用作品なのでしょうがないですね。それを考えればまったく合格です。あの不可解で不思議な「MMT」の世界が堪能できます。個人的には結構好きなんですよこの作品。酷評されることも多いですが、この時期のビートルズのある一面を活写したものだと思っています。なんといっても主役の4人が、楽しそうにしているんですよ(ホント)。この作品以後、そういうことは語られなくなってしまうんですが、ここにいる4人はやっぱり「最高に仲の良い仲間」という感じです。それを感じられるだけでも僕には満足です。特典必要なしならもっと安く買えるし、この機会に多くの人に観てほしいですね。

 追記:映像特典の中にボンゾ・ドッグ・ドゥー・ダー・バンドの「Death Cab For Cutie」のシーンがありましたが、あのストリップ、本当に脱いでいたんですね。まさか本当にやっていたとは思わなかったのでびっくりデス(笑)。
 追記2:今回のソフト発売に際し劇場で公開がありましたが、「日本で初めての劇場公開」という宣伝をしていました。これは大いに疑問です。というのは、今から35年前の1977年夏この作品はあの「シェア・スタジアムコンサート」と2本立てで劇場公開されていて、当時中学生だった僕は2回も(しかも大阪と東京で)観ているのです。どちらの劇場もファンで満員でしたから、観たという人も多いはず。実は某SNSビートルズ関連コミュニティでのやりとりでも、僕以外に当時劇場でご覧になったという方がいらっしゃっいました。なので僕の記憶違いではないはずです。いったいどうなっているんでしょうね?劇場公開以外でも、テレビのワイドショーでは「幻の映画」という言葉を使っていましたが、DVDも出ていた作品を「幻」って言われてもなあ、というのが正直なところです。ちょっと煽りすぎではないでしょうかね?「鮮明な画像と映像特典で再リリース!」で十分だと思うんですが…。