安レコ買いの楽しみを満喫!

 今日、ディスクユニオンの中古盤バーゲンに行って参りました。5点以上購入で50%オフという文句に惹かれて。もともと安レコ買いだし、今回はアナログ盤のみ購入したのでビックリするくらいの低額であれこれ買えました。個人的な収穫はキャロル・キングの「つづれおり」Ode初回盤(マトリクス番号は「P1」)インナーもオードのものでした。ジャケも盤もそれなりにくたびれていましたが聴いてみたらちゃんと聴けて、値札1800円が半額で900円。本当、アナログプレーヤー使えるようにしてよかったです。
 ところでこのバーゲンでは、「100円レコ」コーナーがありました。これはもうジャンル盤質問わずゴソッと大量に置いてある感じ。こういうところで安レコ買いの血が騒ぐ(笑)。実際ナニな盤が大部分ではありましたが、探しているとアンテナに引っかかってくるものも多数ありました。今日のお題はその「僕が入手した100円レコ」です。プレミア盤とかそういうものではないですが、僕には楽しく聴けるものばかりです。以下、主だったものを紹介いたします。
 トーメ「Back To Babylon」バーニー・トーメといってもご存知ない方の方が多いかも。イアン・ギランがブラック・サバス加入までやっていたバンド「ギラン」でギタリストを務めていた人のバンド。ギランでは倍音乗りまくり、ねちっこいプレイをしていた彼のソロということでどんなだろうと思って聴いてみましたら、以外にポップな音楽性。そのへんは時代(80年代中盤)を反映しているのかな?ギターは相変わらずの感じ。曲はポップでいい感じなんですがもうひとつパンチに欠けるのはボーカルのせいかな?そんなあたりちょっとジョー・ペリー・プロジェクトにも通じる「惜しい!」感に包まれた1枚。でも100円だから全然問題なし。
 ボブ・ウェルチ「Bob Welch」「Man Overboard」昨年惜しくも亡くなったボブの80年、81年発表のアルバム。ソロ当初の成功からは離れてしまった時期のアルバムで、実は僕も初めて聴いたんですが、どちらも良作でした。この人特有の「ポップなんだけれどどこか醒めた」感じは健在。こうして続けて聴くとむしろ「Sentimental Lady」なんかのほうが異色に感じられます。力のこもった「Man〜」もいいですが、もう少しポップ寄りの「Bob」の方が個人的には好みです。どちらも国内盤帯なし。
 アラバマ「Roll On」1984RCA盤。ジャケはチープなイラストだけれどエンボス加工あり。カントリーは通り一遍しか聴いておらず、アラバマもベストものとクリスマスもののCDを持っているだけだったので、この機会にアナログも1枚と思って購入しました。カントリーとはいっても実にスマートでコーラスも綺麗。初期イーグルス、ポコ、ロギンス&メッシーナに通ずるような音楽。初夏のこの時期、明るい午後に聴くには最適でした。80年代の録音ですが妙なシンセもサンプリングノートもなし、全部人力演奏。でも録音時期が時期なのであまり古臭い音でもなく、いい感じにバランスがとれているのもいいですね。
 レターメン「…and Live!」殆ど知らないレターメン、いつの録音かもどんなものかもわからないまま購入しましたが、予想外に(ファンの方すみません)よかったです。ホーン・セクション入りながらシンプルな印象のバックに男性コーラスが乗って、得も言われぬ心地よさ。元祖ソフトロックという趣き。これも初夏というか午後に聴くにはぴったりの音楽ですね。ネットで調べたところオリジナルは1967年発表とのこと(僕が入手したのはリイシューのようですが年代不明)。こういう盤の魅力のひとつがジャケット。地味なデザインですが時代を感じさせるもの。30cmだから映えるデザインですね。右上にあるキャピトルのロゴマークも魅力的。
 アトランタ・リズム・セクション「Underdog」1978年発表のアルバム。このバンド、なぜか再評価が盛り上がらなくて、僕は密かに悲しんでいます。アレもコレも無理やり「名作」扱いされる時代だというのに、こういういいバンドが放置されっぱなし。僕は輸入盤で数枚持っていますが、もっとみんなに聴かれていいと思っています。このアルバムも聴きやすい大衆的な音楽性で、変な表現ですが「洗練された」印象の音楽です。サザンロック、スタジオミュージシャン集団という先入観を捨てて聴けばきっとみなさん良さに気づいてくれるはず。これこそ「大人のロック」ですよ。ちなみに僕は「ジャパンジャム2」で彼らを観たことがありますが、アメリカ人のお客さん集団に囲まれながら体験したそのステージは、まだロック初心者だった僕に「本場のロックってこんなに楽しくて明るいんだ」ということを教えてくれました。その意味でも恩義のあるバンドです。僕は100円で大収穫でしたが、本来は100円コーナーにいる「器」じゃあないはずです。盛り上がってほしいなあ。
 原田真二「The Best Collection」1980年発売の編集盤。この当時真二はすでにポリドールに移籍していましたが、これはそれ以前のフォーライフから出ていたシングルを中心にしたベストアルバム。「てぃーんず・ぶるーす」から「a day」まで収められています。今見れば特にどおってことはないジャケに選曲なんですが、アナログアルバムで「マーチ」などが聴けるのがいいところ。それにA面2曲目の「ジョイ」は通常の編集盤には収録されていない(シングル「タイムトラベル」のカップリング曲)ので、個人的にとても嬉しい。ものすごく久しぶりに聴いちゃいましたこの曲。松本隆作詞で作曲が真二という当時鉄壁の布陣。B面曲ですが捨て曲じゃあありません。この1曲でも買う価値ありです。ジャケも盤質もピカピカでこの値段、なんか意味もなく「ざまーみろ!」って言ってやりたい気分です(笑)。
 以上、ここに挙げたもので合計700円。100円レコはほかにも数枚買ったので金額はこれだけではなかったですが、これだけでも700円以上の価値は(僕には)ありました。貴重盤稀少盤はないですが、それに代わる醍醐味があるというのが安レコ買いの楽しみかも知れません。それにしても本当、アナログ聴ける環境でよかったです。いつ家族に「邪魔だから片付けて」って言われるかわからないですが(笑)。