SONIC MANIA2013行って参りました

SONIC MANIA2013

 突然ですが行って参りました、SONIC MANIA2013(以下「ソニマニ」)。老骨に鞭打って(笑)。
 本当はソニマニだけではなくサマソニにも参戦しようと思っていたんですが家庭の予定と一部重なってしまい、どうしようと考えているうちにチケット全部ソールドアウトになってしまったもので、ソニマニだけの参加になってしまいました。今年は観たいアーチストが昨年以上に多く、ものすごく残念だったんですが、ソニマニにはあのストーン・ローゼズが来てくれる!再結成のニュースにひっくり返った者としては(そして昨年はフジロックに出演してしまったために)「もう観られないなあ」と諦めていた彼らを観られる!それならば夜中でも早朝帰宅でもなんでもいい、そんな気分で行って参りました。以下、簡単な感想を。

 海浜幕張駅に着いたのは午後8時過ぎ。すでにかなりの人出。「チケット買います」のカードを持った人がたくさん、ダフ屋もたくさん。かつてあのスティーヴ・ジョブスの基調講演を聴きに寒空の下数時間並んだイベントホールの横を通り、会場の国際展示場に向かう間も空には花火が上がり、夏フェス気分が盛り上がります(このときマリンでもコンサートがあったらしいです)。
 会場入りしてまずしたのはトイレ、そして水分補給のためのドリンク購入。上に書いたようにこの日の最大の目的はローゼズ。午前1時半開始になる彼らのライヴまで体力を温存するため、僕は「無理しない」「欲張らない」をモットーに行動しました。昨年のサマソニ同様「お一人さま」だからなにかあっても誰も助けてくれないし(笑)。でも昨年味をしめた単独行動、自由に動けて楽しかったです。
 8時半頃会場入りしたのでまだ人出はまあまあという感じ。ゆっくり会場全体を眺めて、まずはレインボウステージへ。ソニマニ全体のオープニングである初音ミクがここで歌うのです。サイリウムを手にした「いかにも」な人たちが前方に陣取るなか、僕はミキサーブースの仕切りフェンスにもたれてオープンを待ちました。
 午後10時、ソニマニスタートのMCとともに始まったミクちゃんのステージ。「イーハトーヴ交響曲」で体験済みでしたが、この日のミクちゃんはすごかった。本当に「そこにいる」という感じ。バンドは三次元の人間(笑)を従えてるし、一瞬で衣装替えもするし、「これが世界を驚愕させた『ミク』か!」と思うようなもの。3年前のZEPPに「降臨」したのもこんなだったろうかと思うような「リアルなミク」。満員の観客の、たぶんかなりの部分を占めていただろう「初音ミク初体験」の人たちが驚いているのがわかります。僕はマウンテンに行くために数曲でその場を離れましたが、大喝采を浴びていましたよ。1曲めが「Tell Your World」だっただけでも僕は大満足です。
 続いてマウンテンで、昨年のサマソニ(2日目マリン)で観て以来ファンになったパフューム鑑賞。こちらも超満員。相変わらず「完璧なステップ・カジュアルさ満点のMC」という感じで僕は楽しめました。僕の友人に、無名時代の彼女らが近所のショッピングモールで営業しているのを観ていたという人がいるんですが、その友人曰く「あの3人はいつも一生懸命観ている人たちに語りかけていた。売れてからもそれが全然変わらなくて嬉しい」とのこと。僕は彼女らのステージを観るのはこれが2回めでしたが、「そうなんだろうなあ」と思わせる「真剣さ」が伝わってくるステージでした。曲が始まってからのムードとのあまりの違いに思わず笑っちゃうMC、そして気づいたら一緒に踊り、声を上げる、そんな楽しい時間。40分という短い時間でしたが、満員のお客さんを見事にノセていました(ちゃんとPTAのコーナーあったし)。
 さてここでソニックステージの電気グルーヴを少しだけ観て(プロジェクトマッピングなのかな?巨大な顔のオブジェクトが刻々と変化し続ける演出はすごかったです)、再度トイレ&食事&休息。僕もあと1ヶ月少しで(何回目かの)大台だし、無理をしてローゼズのときに気分悪くなったりしたら大変なので、観たかった電グルもホドホドに我慢して休みました。結果的にこれがよかったようで、後半は特に「疲れてしまい、ステージ後方で寝ている」人たちもよく見かけましたが、僕はなんとか終演まで立っていられました(笑)。フードエリアにはいろんなブースがあって見ているだけでも楽しい。インド料理の屋台で「タンドリー鶏串」というのを400円で買ったら、長さ40cmくらいの串に巨大な鶏肉が刺さったものを渡されビックリ。美味しくて量もものすごい。これだけで一晩まかなえちゃいましたよ(笑)。
 マウンテンに戻ったのは午前0時半ごろ。ちょうどペット・ショップ・ボーイズの後半あたり。もう満員でもあったのでステージの後ろの方に陣取り、座ったり寝転んだりしながらのんびり鑑賞。どのステージでも後ろの方はそういう人がけっこういました。ライトやレーザーの光量が半端ではなく、寝転んでいてもよく観えました。ちなみに「West End Girls」はラストに演奏していました。
そして、いよいよストーン・ローゼズ。PSB終了後マウンテンを去る人たちとすれ違うように前へ。さすがに前の方はかなりの混雑でしたが、まあまあのポジションを確保して彼らの登場を待ちます。
 定刻をちょっと過ぎたあたりに暗転、そして登場したあの4人が全員おそろいの、ファーストアルバムと同じデザインのパーカー姿で登場したところで(超満員の)会場は大歓声。そして演奏が始まりました。以下、感動のあまり記憶がちょっと曖昧なんですが、1曲め「I Wanna Be Adored」からみんな大合唱。僕が一番感動したのはそこです。まわりを見ると若いファンがたくさんいます。僕はローゼズの現役時代を20代半ばくらいで経験していますが、もっと若い、再結成前のローゼズには間に合っていないような人たちも一緒に合唱している。それも本当に必死に、本当に幸せそうに。そして自分もそのひとりでいられる。ステージの上にはイアン、ジョン、マニ、レニがいる。去年のフジロックでたくさんの人が「感動した」「泣いた」と語っていたのが心からわかります。本当に暖かく感動的な空気でした。
 演奏はまさに「ローゼズ」というもの。たどたどしさも含めてこのバンドだけに出せる音、そして得も言われぬ「グルーヴ感」、ジョンのギターのニュアンスに富んだ音色も、レニの手数の多いドラムも堪能できました。しばしば(イアンを中心に)生演奏で辛口の批評をされる彼らですが、実際に観てつくづく感じましたが、彼らには彼らの音楽があり、それを見事に達成しているという意味で「まったく文句なし」です。上手なフレーズが流麗に弾けても、あの独特の、うねるような感覚は生めません。そしてそこに美しいメロディが乗るときのスリリングな感動は、本当に「ワン・アンド・オンリー」でした。伝説になったのはダテじゃあない(ジョンのギターはまるでジミー・ペイジのようにさえ聴こえましたよ)。個人的には(過小評価されているセカンドからの)「Breaking Into Heaven」が聴けたのが嬉しい収穫でした。
 ローゼズのあとはサカナクション。でもちょっとさすがにローゼズで燃え尽きてしまって、せっかくのサカナ初体験は少し気持ちがずれてしまって、心から感動したとはいえないものになってしまいました。好きなバンドなので楽しめましたが、ちょっと展開が単調だったかな?という感じ。いや、こちらのコンディションもあるし、バンドだってフルセットではなかったと思いますので、これは態度保留。次の機会には万全の体制で臨みたいと思います。
 サカナクション終了後(午前4時半前くらい)会場を後にして、奇跡的に電車の乗り継ぎがよく朝7時前には家に到着。僕の「夏フェス」は終わりました。さすがに今日の日中はくたびれて寝てしまいましたが、本当に楽しいイベントでした。来年はぜひソニマニもサマソニも楽しみたいと思っています。それにしてもローゼズ、会えて本当によかった。いい夏になりました。